スタジアム協議会の一部委員の誠に憂うべき不見識さとやる気の無さ。

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9月30日、第17回目の「サッカースタジアム検討協議会」があったので傍聴に行って参りました。そこでの一部委員の発言ですが、見識を疑わざるを得ません。これは地元マスコミが報じない発言ですので何が何でも伝えたいと思います。

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「スポーツ観戦をする人は買い物をしないので本通りには経済効果はない」
「市民球場跡地にスタジアムを作るとイベント開催が出来ないので経済効果はマイナスになる」
「現在のエディオンスタジアムを利用している人もいるので現地改修は候補地から外すべきではない」

首をかしげたくなる内容です。これは広島市中心部にサッカースタジアムを新設するための協議会ではないのでしょうか。そして「サッカースタジアムは街づくりにとって重要なツール」であるから街中にスタジアムを作るのではないでしょうか。

大体、サンフレッチェ広島にはエディオン、マツダ、広島銀行など広島の有名企業が金を出しています。「サッカーには経済効果がない」という発言はこれらの企業を蔑にするものです。

それから市民球場跡地は現在、イベント広場として利用していますが、あくまで活用方法が決定するまでの暫定利用です。発言した副会長は、あたかも1年中イベント利用されているかの如く発言していますが、実際にイベント利用されているのは年間30日程度に過ぎず、夏場や冬場、梅雨時の使用は皆無です。さらにどの程度の利用実績や経済効果があったかという資料は広島市にはありません。

もっというと本来は国有地であるため原則、商業利用が禁止され、しかも公園を営利目的で利用する場合は有料であるにもかかわらず、広島市長の独断で無償利用させています。違法すれすれの「超法規的措置」です。

中央公園(旧広島市民球場跡地を含む)におけるイベント利用の促進について(都市整備局緑化推進部緑政課)
【3 球場跡地における特例措置
さらに球場跡地については、中央公園のなかでも特に交通利便性が高く、イベントが誘致し易い立地条件にあることから、本格的な施設整備までの間、民間企業主催の物販中心のイベントを含め公園使用料を全額減免とし、同跡地でのイベント利用を促進します。】



地方自治法第228条
分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。】

広島市公園条例第11条
市長は、法第5条第1項、法第6条第1項、同条第3項、第4条第1項若しくは同条第3項の許可を受けた者又は大芝公園ゴーカートを利用する者の責めに帰することのできない理由によつてそれらの許可に係る行為又はその利用をすることができなくなつた場合その他市長が必要と認める場合においては、使用料を減免することができる。】

広島市公園条例施行規則第10条第1項第1号
公の団体又は営利を目的としない団体が公益上の目的のために公園を利用するとき。】

<a href="http://reiki.city.hiroshima.jp/reiki/reiki.html" target="_blank" title="広島市例規検索システム"広島市例規検索システム



また5月には協議会の委員がウイングスタジアム神戸の視察に行っています。そこでサッカー以外の活用方法についても説明を受けているはずです。一体、そこで何を学んできたのでしょうか。さらに問題なのは副会長の発言です。

「市民球場跡地は狭いので3万人規模のスタジアムは難しい」

一体、何を目的に議論してきたのでしょうか。そもそも協議会の目的は「広島に相応しいスタジアムを作ること」であり、3万人規模のスタジアムを作ることではありません。

更におかしいのは事務局作成の資料とマスコミ報道です。既にメディアでは「市民球場跡地に作ると194億円もかかる」という報道が流れています。この根拠はスタジアム単体で建設費140億、それから地下上下水道など地下埋設物の移設のため、41.9億円かかる、と言うものです。

中国新聞(2014年10月1日26面)
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しかしながら以前に「新球場建設促進会議」で現地建替え(つまり市民球場の建替え)を議論した際には上下水道の移設は10億円と試算しています。そしてその資料は今でもインターネット上で閲覧できます。

第6回新球場建設促進会議資料
(3ページに数値あり。附帯事業費として下水管移設費10億円、球場撤去費5億円と試算)


にもかかわらず、何故こんな数字が流されるのでしょうか。

またスタジアム建設に140億円という数字も非常に問題があります。例えばマツダスタジアムはあれだけの広さがあって3万3千人収容ですが球場の建設費は112億円でした(球場本体90億円+カープ球団施設22億円)。それからガンバ大阪が建設中の新スタジアムは4万人収容ですが建設費140億円です。複合機能が加わるとはいえ何故、3万人程度のスタジアムにこんな巨額が必要なのでしょうか。あと小谷野委員が
「市民球場跡地は都市公園なのでスタジアム建設費の半額70億円の補助金が得られる可能性もある」

と発言していたことも強調したいと思います。これもメディアでは報道されません。

もはやスタジアム協議会は

「サッカースタジアム建設を検討する場所」

ではなく、

「市民球場跡地にスタジアムを作らせないための議論をする場所」

に成り下がっています。昨年6月に発足して以来1年4か月、このような低レベルな議論しか出来ないようでは、もはや存在意義は失われた、と言わざるを得ません。

もはやサッカースタジアム実現のためにはスタジアム協議会での議論に一喜一憂し結論を待つのではなく、来年4月の選挙に向けて関係者や市民・サポーター有志の行動と広島の政財界への働きかけが必要な時ではないでしょうか。

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