花房吾早子
2016年4月12日06時29分
多くの人が使う鉄道。そのなかには、聴覚に障害がある人もいる。耳の不自由さは外見からは分かりづらい。どんな時に困っているの? 手を差しのべるタイミングは? 少しでも相手のことを理解できればとの思いを込めた取り組みが広がっている。
■運転士ら、動画で駅名紹介
えきのうめだのうめ、しゅわで あらわすほうほう おしえてほしい
ぎこちない手話で横川隆吏さん(40)が尋ねると、東伸二さん(66)が酸っぱい物を食べた時の表情をしながら手話で返した。
おべんとうのうめ(梅)といっしょ
横川さんは大阪市営地下鉄の運転士、東さんは幼い頃から聞こえない。御堂筋線8駅の名前を手話の寸劇で紹介する動画「大阪地下鉄の手話」を演じる。「うめだの~」のやり取りは、そのワンシーンだ。動画は横川さんら運転士と駅員計4人の「チームもぐら」が手がけ、昨年1月からインターネットで流す。
地下鉄で通学する聴覚障害児の父親と出会い、チームを結成。聴覚支援学校で電車のマナー教室を開いたり、絵や文字を指して意思疎通ができるボードなどを駅の見えやすいところに置くよう職場で働きかけたりしてきた。運転士の田里義宣さん(41)は「みんなが安心できて親しめる鉄道にしたい」と話す。
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朝日新聞社会部
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