警視庁渋谷署で昨年末から今月にかけて、留置などを担当する署員１９人が結核に集団感染していたことが１１日、分かった。うち６人が発症し３人が入院した。他の留置人らへの感染は確認されていない。

　渋谷署によると、昨年１２月に２０代の男性署員が体調を崩し、今年１月に結核に感染していたことが判明。入院したが、すでに退院している。その後、相次いで結核感染が判明し、１９人に上った。

　入院した署員がいるほか、治療しながら勤務に就いていた署員もいるという。このうち４人は１１日に感染が判明し、検査のうえ治療の必要性などについて今後、医師の判断を待つという。

　昨年２月、渋谷署に詐欺事件で留置中の６０代の男性が体調を崩して病院に搬送されたが、肺結核で死亡していた。同署は因果関係や感染拡大の経緯を調べるほか、他の署員に検査を受けさせて感染の有無を確認している。

　渋谷署の小林仁副署長は、「結核に関しての認識が不足していた」と話している。