読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私が猫ならもっと可愛がられたのに!

干物が成長する物語。レディになりたい。

私は勉強が割とできた。でもおとなってそれだけでいいの?

こんにちは。スマホでアップした記事とパソコンでアップした記事が一発でよくわかるブログになってしまいます。どうも私です。

はよアプリ入れろよって話なんですけど。

でも正直キーボード使って文字を打ちたいなぁ…

どっかにいいタブレットないかなぁ…

 

さて、特別お題「青春の一冊」のお話をしたいと思います。

決してお金につられたわけではなく、

本当にこの本が青春時代、あるいは未だに憧れとして私の心に残っているなぁと思っているもので。

正直に申しますと、ちょうどこの作者の別の作品でお話しようと思っていたところではありますw

…読書感想文、苦手なんですけどね。ど下手くそだし。でもちょっとやってみる。

 

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

 

 小学生のとき、国語の時間に出会いまして。

問題を解きながら、「この小説読みてぇぇぇぇ!」ってなりました。

それがこの作品の最後に併録されている「番外編・眠れる分度器」

本編で高校生である主人公の、小学生時代の話です。

お勉強はできない、しかも母子家庭でちょっと貧乏。

お母さんやおじいちゃんの教育方針のおかげ(?)でちょっと人の見方が変わっている。

学校や一般的な大人の「常識」のようなものに、ただただ意味もなく流されていくことに常に疑問を抱く。

「ぼくはぼくである」ということがなによりも大切なこと。

そんな考えを持ち、少なからず騒動や衝突を巻き起こしてきた秀美は、まぁ本編の高校生になってもそんな感じ。

改めて作品全体を読んだのは、中学生のころだったでしょうか。

 

自分自身の価値観がほぼ0だった当時の私にとって、これは衝撃でした。

「あぁ、勉強ができるだけだと「いい大人」にはなれないんだ。」

「常識だと思われていること、みんなが同じように思っていることでも、よく自分の中で吟味するようにしなきゃいけない。」

なにより感じたのは、

「大人が言うことってこんな穴だらけなの?!」

誰かのいうこと聞いていれば、常識にのっとって生きていればいいんだってどこかで思っていた私は雷に打たれた気分です。

こーんな、「勉強できて受験に勝てるやつが将来安泰」だとか

「せっけんの香りをさせた控えめな雰囲気の女の子がかわいい」だとか

「セックスにうつつ抜かしてると勉強ができない」とか

みんなが言ってることも、簡単にひっくり返されちゃうんだもの。

この作品に触れてから、人の話を丁寧に聞いて、きちんと自分なりの価値観をもって照らし合わせ、「私ならば」という気持ちで話をするようになりました。

そうすると不思議なものですね。高校生くらいだと、案外いろんなことを相談されるくらい信用されるんですよね。

「あなたからしか聞けない話があるからおもしろいしためになる!」なーんて。

 

けれど、大人になって見方が変わりました。

こんな風に、主人公の秀美くんに無条件でヒーロー性を感じている時点で「あぁ青春だったなぁ」って思います。

確かに、こんな価値観を持つ高校生普通はいません。まして彼はおばかではありません。勉強はできなくとも。

けれど悩んで、反面どこか変なところに自信を持っていて、失敗して、ぼろぼろになって、また立ち上がる。そんなところは紛れもない「青二才の高校生」なんです。

大人じゃない、すましているようで、でもどこか大人ぶってやろうとしてる、未完全な存在。

そんなところが透けて見えるようになってきました。

彼を「大人に物申せるものすごいヒーロー」から、少し遠く俯瞰して見られるようになりました。

私も成長したってことでしょうかね(笑)

そもそも大人になったら自分自身の価値観を持って、常識を無条件に崇拝しない人、ごろごろいますもんね。

 

今になって、山田詠美氏があとがきでおっしゃっていた、

主人公の時田秀美は高校生だが、私は、むしろ、この本を大人の方に読んでいただきたいと思う。

という意味がようやくわかった気がします。

時代のまっただなかにいる者に、その時代を読み取ることは難しい。叙情は常に遅れて来た客観視の中に存在するし、自分の内なる倫理は過去の積木の隙間に潜むものではないだろうか。

上記の文章なんか、中学生のときはなかなか飲み込めませんでしたよ。

「言いたいことはわからなくはないけど、え~でも意味わかんない?」みたいな。

時間がたって、振り返ることでわかる。かっこいい言葉も行動も、青さゆえのものがある。

昔を思い出す若干の恥ずかしさもありつつも、それでもそんな気分を反芻して心地よくなれる。私はこの小説が今でも好きです。

思春期の最中、そして大人になってから。両方で読むのが一番楽しいなと思います。

 

完全なる余談ですが、作者を「とりあえず何かがあると、セックスをしておけばどうにかなるって表現をしている」って言ってた大学の現代文学の先生。

私、これだけ「不良だけど、芯が文学的な乙女」な人、見たことがないと思うんですけれど。

究極のギャップじゃないですか?魅力的な意味で。お近づきになるには、すこーし壁がありそうですけどね(笑)

 

 

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine