当時小1の25歳女性、後遺症で死亡
堺市で1996年、学校給食が原因で児童らが病原性大腸菌O157に感染し、女児3人が死亡した集団食中毒で、市教委は30日、後遺症が原因で当時1年生だった同市北区の女性(25)が亡くなったと発表した。後遺症による死亡は初めて。
市教委によると、女性は集団食中毒の発生時に溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して60日間入院。退院後もHUSによる後遺症の腎性高血圧の治療を受け、ここ数年は年3〜8回通院していた。昨年10月10日、自宅で容体が急変、翌日に搬送先の病院で亡くなった。死因は腎性高血圧による脳出血だった。
市教委は現在、女性の遺族と補償交渉中で、同意が得られたため公表した。
集団食中毒は2次感染の家族を含む9523人が症状を訴えた。発生当初に亡くなった3人の遺族との補償交渉は終了し、健康被害があった10世帯11人との交渉が続いている。
竹山修身市長は「命の尊さを改めて心に刻み、安全管理と危機管理の徹底に一層努力する」とのコメントを出した。【椋田佳代】