ライフハッカー編集部 - OS,Windows,セキュリティ,ツール,パソコン 08:00 PM
Windows 10搭載ツールでファイルやフォルダを自動バックアップ
パソコンのバックアップ体制が万全でないなら、今日こそは守りを固めるときです。15分もあれば、あなたのパソコンと貴重なデータはひとつ残らず、定期的にバックアップを取れるようになります。Windows 10なら面倒な作業もほとんどなく、これまでにないくらい簡単です。これでもう、あと回しにする言い訳はなくなりましたね。
Windows 10には、2つの異なるバックアッププログラムがあります。それは「ファイル履歴」と「バックアップと復元」です。ファイル履歴は、任意のファイルを複数のバージョンで自動的に差分バックアップしてくれるツールで、まさに過去にさかのぼって、修正または削除される前のファイルを復元できます。頻繁に書き換えるWord文書やPowerPointのプレゼンテーションなどのファイルがある場合はとても便利です。一方のバックアップと復元は、ファイルの最新バージョン1点だけを定期的にバックアップ保存します。バックアップと復元はさらに、「システムイメージ」も作成します。システムイメージとは、オペレーティングシステムからプログラム、ドキュメントまで、コンピューターのシステムを丸ごと写真に撮ったようなものです。システムイメージがあれば、コンピューターが恐ろしい事態に陥っても、システム全体の復元が容易になります。
以上2つのツールのいずれか1つに頼ることも可能ですが、より完全なバックアップ体制を整える場合は、両方を使ってください。これらのバックアップツールは守りの最前線になるものです。パソコンのハードドライブが不具合を起こしたり、マルウェアに感染したり、誰かに大事なファイルを削除されてしまったりという壊滅的な状態に陥ったときに助けてくれます。当然、オフサイトバックアップも必要です。米LH編集部のおススメは『CrashPlan』。このアプリなら、オンラインバックアップや、別のコンピューターへのリモートバックアップを設定できます。しかし、ローカルバックアップからファイルを復元するほうがずっと簡単です。それに、システムイメージがあれば、速攻でコンピューターを丸ごと復元して、システムがクラッシュする前とまったく同じ状態に戻せます。
難しい話はこのくらいにして、早速始めましょう。バックアップの保存先として必要になるのは、外付けハードドライブか、NAS(ネットワーク対応ストレージ)、またはローカルネットワークに接続された別のコンピューター1台です。
「ファイル履歴」を使って、頻繁に書き換えるファイルやフォルダのバックアップを取る
ファイル履歴に関しては、Windows 8で初登場しましたが、Windows 10ではインターフェースがお色直しをしたほか、いくつかの大きな改善が加えられ、バックアップしたいフォルダの選択が可能になるなどの違いが見られます。初期設定では、ファイル履歴は個人用ライブラリ(C:/Users/[アカウント名])内のファイルすべてをバックアップするようになっています。個人用ライブラリに含まれているのは、デスクトップ、ドキュメント、ダウンロード、ミュージック、ピクチャなどのフォルダです。また、OneDriveのフォルダもバックアップされます。そして何よりも重要なのは、ファイル履歴はこれらのフォルダに変更箇所がないかどうかを追跡し、追加や修正があれば、すべてのファイルのバックアップを自動的に取ってくれる点です。OS Xのバックアップツール『Time Machine』と似たような感じですね。
「ファイル履歴」を設定して有効にするには
- Windowsマークをクリックして、「スタート」>「設定」>「更新とセキュリティ」と進みます。または、「ファイル履歴」と入力して設定画面を検索します。
- 「バックアップ」に進み、「ドライブの追加」をクリックします。
- ファイル履歴のバックアップの保存先として使いたいドライブもしくはネットワーク上のフォルダを選択します。
- 「バックアップ」画面に戻ったら、「その他のオプション」をクリックします。次に開いた画面では、「すぐにバックアップする」「ファイルのバックアップ頻度を変更する」「バックアップしたファイルの保持期限を選択する」「バックアップするフォルダを追加または除外する」「バックアップ先ドライブを変更する」などの操作が可能です。
- 「今すぐバックアップ」ボタンをクリックして、最初のファイル履歴バックアップを始めてください。
設定で変更したほうが良い点としては、バックアップしたファイルの保持期限があります。自分の好みや状況に応じて保持期限を変更すると良いでしょう。
- 初期設定は「無期限」になっています。つまり、ファイル履歴はドライブがいっぱいになるまでバックアップを作成、保存し続けるわけです。ドライブがいっぱいになったら、バックアップ先を違うドライブに変更するか、手動で「古いバージョンのクリーンアップ」をするか、いずれかの操作が必要になります。後者の場合は、「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>「ファイル履歴」>「詳細設定」と進んでクリーンアップを実行し、バックアップ用スペースを確保してください。
- 保持期限を「領域が足りなくなるまで」に変更した場合は、バックアップ先ドライブのスペースが少なくなってくると、古いほうのファイルから自動的に削除されます。
- 保持期限を「1カ月」や「2年」などの期限に変更した場合は、設定した保持期限に達したファイルが順に削除されていきます。
設定は以上です。これでファイル履歴はバックグラウンドで黙々とバックアップを取り続けてくれます。
「ファイル履歴」から復元するには
個別のファイルやフォルダ、または1件のファイルの古いバージョンを復元する場合は、「コントロールパネル」>「ファイル履歴」と進み、左側のメニューにある「個人用ファイルの復元」をクリックします。ファイルはバックアップされた日時に沿ってブラウズできます。また、ファイルの中身を右クリックでプレビュー表示し、中身を確認してから、画面下にある緑色の大きなボタンをクリックしてファイルを元の場所に復元することも可能です。
また、ファイル履歴を開かずにファイルの古いバージョンを復元することもできます。ファイルを右クリックして「プロパティ」を選択し、「以前のバージョンの復元」タブをクリックしてください。
楽ちんですよね! ただし、便利に使いこなすには、ファイル履歴を有効にしておかなければなりません。
「バックアップと復元」を使って、システムイメージを丸ごと作成する
これまでのWindowsバージョンにも「バックアップと復元」があったことを覚えているのではないでしょうか。この機能は、実際には「バックアップと復元(Windows 7)」と呼ばれています。つまり、前からあった古いツールだということがわかりますね。たとえファイル履歴を有効にしていても、バックアップと復元を併用して、別のドライブに定期的にシステムイメージを作成しておくのが得策です。そうしておけば、起動ディスクの不具合といった事態が発生した時にも手早くパソコンを起動できますし、システムイメージを使って新しいドライブにアップグレードすれば、何もかもを再インストールする必要も、設定がすべて消えてやり直しをする必要もなく、すぐに仕事に戻ることができます。
ファイル履歴のバックアップ先と違うドライブを使って、バックアップ体制の冗長性を強化し、守りを一層固めましょう。バックアップに関しては、冗長性が何よりも大事であることを忘れないでください。
「バックアップと復元」を設定して有効にするには
- Windows 10の「設定」ではなく、「コントロールパネル」にある「バックアップと復元(Windows 7)」を開きます。もしくは、この場合も「ファイル履歴」と同様、Windowsボタンをクリックして「バックアップと復元」と入力して検索してみてください。
- 「バックアップの設定」をクリックします。
- バックアップの保存先ドライブを選択します。あるいは「ネットワークに保存」ボタンをクリックして、ネットワーク上での共有を選択します。
- 次に、バックアップの対象を選びます。Windowsが選ぶ「自動選択」か、「自分で選択する」のいずれかになりますが、自動選択にすると、デスクトップ、ユーザーフォルダ、ライブラリにあるファイルが保存されるほか、システムイメージも作成されます。
一番簡単なのは「自動選択」です。ただし、容量が足りるか心配な場合、またはバックアップ対象にするフォルダをあれこれ選びたいという場合は、「自分で選択する」を選びましょう。そうすれば、すでにファイル履歴でバックアップされているライブラリを除外でき、「バックアップと復元」をドライブにシステムイメージを作成するためだけに使うことが可能です。
- 「設定を変更してバックアップを実行」をクリックして、最初のバックアップを開始します。
何よりもうれしいのは、最初のバックアップが終われば、あとはバックアップのスケジュールに応じて自動で実行されることです(ちなみにスケジュールは「毎週日曜日の19時」で初期設定されています)。
システムイメージを復元するには
システムイメージからWindowsを復元する場合は、「設定」>「更新とセキュリティ」>「回復」と進み、「PCの起動をカスタマイズする」の下にある「今すぐ再起動する」をクリックします。あとは指示通りに進み、復元したいシステムイメージを選択してください。
バックアップから特定のフォルダやファイルだけを復元したい場合は、「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>「バックアップと復元(Windows 7)」と進み、「ファイルの復元」ボタンをクリックします。
もしもコンピューターが動かず、「コントロールパネル」も「設定」も開けない場合は、Windowsインストール用のディスクかUSBドライブ、システム修復ディスク、起動可能なUSB回復ドライブを使ってコンピューターを起動させ、ディスク内の回復ツールを使ってシステムイメージからの復元を試みましょう。「Microsoft WinHelp」のこちらの記事では、回復ドライブ(Windows 10で初登場)と修復ディスクの違いだけでなく、作成方法についても説明しています。
「ファイル履歴」と「バックアップと復元」が、バックアップと回復のためのツールとして、もっとも確実で頼れるものだというわけではありません。でも、簡単な上に無料で、すでにWindowsに搭載されている機能です。オンラインバックアップサービスのCrashPlanや『Backblaze』を併用すれば、バックアップの鉄則「3-2-1ルール」が完成して、守りは鉄壁になるでしょう。
Melanie Pinola(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.