「ワテは何にもしてまへんから」いつもそう言って微笑んでいた。情けないボンボンかと思わせておいて、締めるところは締める。五代さんもよかったけど、やっぱり新ちゃん、あんたが最高だった。
ゴールの見えない撮影現場で
「新次郎は、柔らかい力を持った男です。炭坑であさのほっぺたをつねりながら『あんたの武器は、このやらかい大福もちだす』と言う場面がありましたが、柔らかいという言葉が『あさが来た』の一つのキーワードだと思っています。
新次郎は、相手を嫌な気持ちにさせない人。いつも周りの空気を読んでいて、『わては何もしてまへん』と言ってはいるけれど、何も言わず、実行する。無言実行ですね。それがとてもスマートで、撮影を通して彼の生き様のほうがすごく男らしいと考えるようになりました」
さっぱりとした顔つきで笑う。俳優、玉木宏。4月2日に最終回を迎える連続テレビ小説『あさが来た』でヒロイン・白岡あさ(波瑠)の夫・新次郎を演じてきた。
『あさが来た』には、女だてらに実業家を目指すあさを始め、大阪経済の父・五代友厚(ディーン・フジオカ)、お調子者の番頭・亀助(三宅弘城)など、個性あふれるキャラクターが揃う。一歩間違うと破茶滅茶になりそうな物語は、新次郎の立ち回りでうまく展開していく。まさに、ドラマを支える本作のMVPと言える存在だったのではないか。
撮影は主にNHK大阪放送局内のスタジオで行われたが、劇中だけでなく、実際の撮影現場においても玉木なりの心遣いがあった。
「ドラマの後半は世代交代が進み、小芝風花さん(あさ夫婦の一人娘・千代役)や工藤阿須加さん(東柳啓介役)といった途中参加組がたくさん現場入りしてきました。僕もドラマでゲスト出演したことがありますが、途中参加というのは始めはどうしても居心地が悪い。
ですから、時間を見つけては、今までの演者と新しいメンバーで食事に出かけるようにしていましたね。焼き肉を食べに行くことが多かったでしょうか。ほかにも、控え室でみんながつまめるように、駄菓子を差し入れたり。そうするうちに、次第にみんな打ち解けていきました」
同作は週間平均視聴率23・7%と最後まで好調が続いた。しかし、実力派俳優として知られる玉木にとっても、朝ドラの現場は想像以上に過酷なものだったという。
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