英語が聞き取れない理由ってなんだろう?
僕自身、中学時代の頃はかなり英語が苦手だった。
「日本に住んでるのに英語なんていらなくね?」そんな言い訳ばかりをしていた。そんな自分がまさか英文学科に行って留学まで経験するとは思ってもいなかったんだけど。
人生って不思議なものだなぁと思う。
だから最初から英語が出来てたわけじゃなくて、努力して頑張って英語を身につけていったという方が正しい。そんな僕がもっとも苦手意識が強かったものがある。
それはリスニングだ。
英語の聞き取りってめちゃくちゃ早いスピードで喋られるし、一瞬の単語を逃したり、あれ?なんか聞いたことあるけど意味なんだっけとか考えてるあいだに聞き逃す。最悪だ。無理ゲーだ。
何を言っているのか全く理解できない。それはコミュニケーションの大きな壁を意味する。そもそも聞き取れないと会話さえできないし、興味だって湧かない。
だからこそ、なぜ英語が聞き取れないのか?という疑問は常に持っていた。
その理屈を知りたい。そういう思いを持っていた時、大学時代のある授業がきっかけでヒントを得た。
大学時代の授業から得たヒントは「発音」の違い
大学時代に言語学の発音を専門にしている先生がいた。その先生の授業は面白くて毎回新しい発見があった。
そんな先生がある授業で日本の英語について語り始めた。
ローンチ、コンビニ、ホールディングス、トレーニングウエア・・・
「新聞や雑誌を読んでみると、カタカナ英語がたくさん見つかるでしょう。じゃあこれを"英語"で発音し直してみて。正しく発音できる?」
一通りみんなが発音していく中、ある帰国子女の女の子がスラスラと発音した。
launch, convinent store, holdings, training wear
おお!今まで発音してきたのと全然聞こえ方が違う。帰国子女はさすがやなぁ。
すると、先生が説明を始めた。
「人の発音によって聞こえ方が違っていたと思う。なんで違うんだと思う?それは英語の音がきちんと聞き取れているか、発音できているかの違いなんです。」
先生曰く、自分の中できちんと英語の音を英語として認識しているかどうか?が重要。
自分の耳で聞き取れる音は同時に自分の口で発音できる音でもある。その音に対する理解をきちんとする必要がある。
これを聞いてなるほどと思った。そして単純に僕が英語を聞き取れない理由が分かった。
英語の音をまず知らないし、発音の仕方も知らなかったから。
じゃあ英語の音を知らない場合、どういう状況になるのかを例をもとに次から具体的に説明していく。
空耳は日本語の音への置き換え
タモリの空耳アワー、一度は見たことがあるだろう。
英語を聞いているのにあるフレーズだけ日本語に聞こえてしまう現象。これは少なからずテロップの影響もあるのだが、そもそも英語を日本語の音に置き換えて理解しようとしてしまうのが大きな原因の一つだ。
聞いている音が理解できない場合、その音をなんとか理解しようと脳がこれまで聞いてきた音から似ている音を探す。それを自分の言語に置き換えようとする。(この場合は日本語)
そうすると脳が勝手に聞いた英語を日本語の音として認識してしまう。これは英語に限らずどんな言語に対しても同じ結果になってしまう。(逆に、英語しか話さない人が日本語を聞いた場合、無意識に日本語の音から英語に近いものを探して理解しようとする。)僕なりにこの状態を簡単に説明するためにインフォグラフを作ってみた。
つまり、英語が聞き取れない理由は大きく分けて3つある。
- 英語の音そのものを知らない、聞き慣れていない
- 英語の単語は分かるが音がよく理解できない
- 英語全体の理解できるがその意味を自分の中で落とし込めていない
ではこれらの問題に対してどのように対処すれば英語が聞き取れるようになるのだろうか。一つずつ噛み砕いていってみることにしよう。
どうすれば「英語」が聞き取れるようになるか
英語がなぜ聞き取れないかという原因がある程度見えてきた。次は、先ほど紹介した3つの理由を一つずつ把握し、解決していこう。
英語の音そのものを知らないor聞き慣れてない
この段階では聞き取れない二つの大きな理由がある。
- 英語の音に慣れてない
- そもそも英単語を知らない
この段階ではまず英語に慣れ親しむだけでも効果がある。巷に溢れているこういった聞くだけ教材から始めても効果は少なからず出てくるだろう。▶︎英会話教材【ネイティブイングリッシュ】
ただし、覚えておいてほしいのは聞き慣れるだけでは英語は聞き取れるようにはならないということ。「聞くだけ」という楽な方法が通じるのはあくまでも耳が発達している幼少期だけと思っておいたほうがいい。
ではどうすれば英語の音を理解できるようになるのか?
最初に言った理由のそのまま裏返しになるが、単語をまずは覚えていくこと。知っている単語が1つでも増えればそれだけ理解力が違ってきます。それから覚えた単語をきちんと発音できるようにする。この絶対量をまずは増やしていく必要がある。
英語の単語はなんとなく分かるが音がよく理解できない
英語にある程度慣れてきて単語も覚えてきたのに聞き取れないことがある。この段階の場合、見直す点はシンプルに一つだ。
- 英語の音を自分の身体に入れ込んでいく
この段階では発音という部分に手を加えていく必要がある。教材としては例えばDVD付きのこういった本が有効だ。▶︎DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本
ただ、重要なのはどのように発音しているかを理解して徹底的に真似することなので無理に高い教材に頼る必要はない。もちろん、外国人と直接話せる機会があればベストだが簡単にはいかないはずなのでYoutubeの無料動画などを活用してみよう。発音に関しては数多く紹介されている。できれば日本人ではなく外国人の口の動きが分かる動画がいいだろう。
それから、この段階からどれくらい英語に触れているか?も重要になってくる。留学であれば24時間英語の環境に浸れるためベストだが、日本にいながらいかに英語に触れる時間を作れるか?というのも考え直す必要がある。
英語全体の理解できるがその意味を自分の中で落とし込めない
これは自分の英語の基礎能力が絡んでくる問題だ。ここでつまづく場合は主に3つの理由が考えられる。
- 英語の総合力不足
- 単語力の不足
- 文法力の不足
例えば、英語の総合力を測定する上である程度の指標となるのがTOEICだ。
TOEIC400点台の人とTOEIC900点台の人がいてどちらも同じくらいのスピーキング力だとする。この場合、英語の音をしっかり自分に覚えさせれば圧倒的に会話できるようになるのはTOEIC900点台の人だ。
つまり、自分の中に出来上がっている英語の土台によって伸びしろが決まってくる。全く英語を話すことができなくても、自分の中で英語の基礎が出来上がっている人は勉強方法によって確実に伸びる。
逆に、会話に慣れた人であっても英語の基礎部分(文法や英単語)がおろそかな場合、ある段階で伸びしろがなくなってしまう。
聞き取れるようになるための方法は「音読」
過去のまとめ記事でも紹介させて頂いたが最強かつミニマルな英語勉強法は「音読」に行き着く。
keita-itten-project.hatenablog.com
このブログを通じて今後も伝えていきたいことなのだが、英語を勉強する上で「音読」が全ての鍵を握っている。
口から出した自分の声は自分の耳に聞かせる行為でもある。これによって英語の音を徐々に自分に覚えさせていくことができる。
ここで必要になるのが生の英語音源。何度も紹介させて頂いている素晴らしい英単語帳であるDUO 3.0を買う場合、DUO 3.0 / CD復習用というCDを必ず同時に購入しておきたい。この教材以外でも必ずCD付きでネイティブ外国人が発音しているものを購入することをお勧めする。
自分の中に落とし込める英語の数を増やしていくこと。それは過去の記事でも紹介しているが「何度も繰り返し音読し、自分の血肉にしていく」ことが大切だ。
素直に繰り返せば繰り返すほど英語の音が自分の中に蓄積されていく。これがある段階に来た時点で一気に英語への理解度が高まってくる。
英語の「なまり」よりもまずは基礎基本を学ぶ
同じ日本に住んでいても、博多弁、広島弁、関西弁、東北弁など地域によって使っている独自の単語表現やイントネーションがある。同じように英語でもアメリカ英語の中で地域ごとで使う英単語表現が違ったり、スピード、なまりがある。
加えて世界の共通語である以上、フランス英語、イギリス英語、インド英語、中国英語、フィリピン英語、オーストラリア英語、そして日本英語(カタカナ)などあらゆる地域によって全く違ってくる。
すべての「なまり」に向き合うことは難しい。だとすればやることは一つ。「英語」そのものをきちんと理解していくことだ。
実はすでに中学時代から僕たちはいい教材に巡り合えている。
▶︎Sunshine 1 (SUNSHINE ENGLISH COURSE1)(サンシャイン1)[開隆堂,中学英語教科書] (SUNSHINE ENGLISH COURSE(サンシャイン))
英語を学ぶ選択肢として留学が大きなものの一つだろう。しかし、英語の基礎基本がそもそも分かっていない状態で留学をしても上達の伸びしろはそれほど大きくないだろう。原点に立ち返って基礎基本の英語から身につけておくだけで全然違ってくる。その教材とは実は中学時代にすでに出会っているのだ。
だから最初の入り口には注意したほうがいい。間違った発音や独自のアクセントで英語を覚えた気になってしまうと後々厄介なことになる。
お金を掛けすぎる必要はないし、無料でも勉強できる環境はいくらでも整ってきている。だからこそ、基本に忠実な英語をまずは基礎として身につけておきたい。そこでいかに英語と向き合えるか、自分の口から英語を発していくかに目を向けたほうがいい。
「なまり」と向き合うのはそれからでも遅くはない。
まとめ ーリスニング上達に向けてー
リスニングは沢山英語のシャワーを聴いておけばいいわけではない。英語の発音をすべて理解して聴き込むのであれば効果はもちろんあるだろう。でも、ただ漠然と聞き流しているだけでは脳内で実は日本語として認識したままになってしまっているかもしれない。
英語は一人で勉強するよりも外国人と直接コミュニケーションを取っていった方が上達は早いし生の英語の音をどんどん取り込むことができる。きちんと発音を理解して自分の口で発音できるようにしておくことも大切だが、それ以上に生の英語に触れる機会を増やしていくこともリスニング上達の近道になるだろう。