米の消費量が減っています。TPP交渉次第では米の生産に大打撃がありそうです。
TPPについて詳しいという河童にインタビューに行きました。
これは俺のじいさんから聞いた話なんだがな、という前置きで彼が話を始めました。
俺たちの先祖は山で獣をとったり川で魚をとったり、自然恵みだけで暮らしていたんだ。冬には食べるものがなくなるし、獣を捕ろうとしたら命を失うこともある。
ある日海の向こうから、米の作り方を教えてやるから俺たちの支配下にはいれって言うやつが現れたんだ。奴らは自分たちの子を神だと言いやがった。米を作るやつは人間として遇してやろう。作らない奴は野蛮な妖怪だから処罰するって言うんだよ。
米を作れば食うものに困らなくなる。明日の食べ物を心配しなくてもいい。
飛びついたね。
でも、それは、俺たちを奴隷として働かすための方便だったんだ。
気がつくと、見渡す限り田んぼに作り変えられた。自然の山や川はなくなってしまった。今でいうところの環境破壊って奴だな。
稲を作るのに役立つ虫は益虫、役に立たない奴は害虫ってことで生態系も無茶苦茶にされた。
時代が下がると、先祖は奴らの支配からのがれて、独自の村を作った。しかしその独立も長くは持たなかった。
米作りをする連中から、田んぼを作るので出て行けと言われたんだ。
抵抗するなら、武力で決めようとやつら相撲勝負を仕掛けてきた。正々堂々の勝負ならと受けたのが間違いだった、奴ら俺たちの、皿の水をなくすと力が出なくなるという弱点をついてくると言う卑怯な手にでやがった。
それ以来、俺たちは米作りにあだなす害獣として妖怪と呼ばれるようになったんだ。
米が日本人の心なんてのは支配者が民衆を奴隷として使うための都合のいい方便なんだ。
俺たちにTPPなんて関係ない。いや多くの日本人には関係ないことさ。
米が聖域なんて誰が言ってるんだい。
慌ててるのは米を征服の手段に使ってきた、神の子孫だけだよ。
~~ 相撲という武力行使によって土地を奪われた河童へのインタビュー ~~