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 ベルギーの首都ブリュッセルの空港で22日午前8時(日本時間同日午後4時)過ぎ、2度の爆発があり、複数の死傷者が出た。ブリュッセル市内にある欧州連合(EU)本部近くの地下鉄駅でも爆発が起きた模様だ。ベルギーの公共放送が伝えた病院関係者の情報によると、死者は少なくとも10人に達し、30人以上が負傷した可能性がある。

 ブリュッセルでは19日、昨年11月のパリ同時多発テロ実行犯メンバーとして指名手配中だったベルギー出身のサラ・アブデスラム容疑者(26)が逮捕されており、イスラム過激派による報復テロの可能性がある。

 英BBCによると、爆発は空港内のアメリカン航空出発カウンターの近くで起き、空港の天井やガラスが広い範囲で吹き飛んだ。空港は逃げ惑う人々で一時、パニック状態になった。ベルギーのメディアによると、爆発の前に現場で銃声とアラビア語の叫び声が聞こえたとの情報もある。

 ブリュッセル空港の公式ツイッターアカウントは、「空港に来ないように」と呼びかけている。航空便はキャンセルされ、利用客は避難したと伝えている。ブリュッセルの地下鉄は停止し、すべての駅が閉鎖された。英国と欧州本土を結ぶ高速鉄道ユーロスターのロンドン発ブリュッセル行きも、出発が取りやめになった。

 ベルギー内相はベルガ通信に対し、国内全土でテロ警戒レベルを最高に引き上げたと明かした。