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トイアンナのぐだぐだ

まじめにふまじめ

男性にとってのセックスと、女性の結婚が等価値だと分かった「ある実験」

男にとってのセックスと、女にとっての結婚が等価値だとわかった話。

 

サイバードという会社がある。女性向け恋愛ゲームアプリを開発し、年商100億円まで急成長した企業だ。

サイバードが成功した秘訣を本で読み「ためしにプレイしてみよう」と思ったのが1週間前。あれよあれよという間に「イケメン王宮」「イケメン大奥」「イケメン戦国」など7アプリをダウンロードしていた。iPhoneのホーム画面には夫の笑顔、その上に並ぶイケメンシリーズのアイコン。とても × 罪悪感が × 湧く。

 

話を進めて、3秒で驚愕。

なんせ、出てくるイケメン男子が次から次へと結婚を迫ってくるのだ。

「正式に婚約を交わしたいのだが……」

「全てをかけて、あなたを幸せに致しますよ」

「早く2人で暮らしたい」

 現実の男が決して言わないような結婚、同棲、婚約発表をしたい・したいのオンパレード。現実世界にこんな男がいたら結婚詐欺師かメンヘラの2択なので、2次元キャラが話してくれるのがまた安心感を煽る。

 

ストーリーもすごい。

例えば代表作の「イケメン王宮」のストーリーはこちら。

「アナタがこの国のプリンセスです」

お城を訪れた庶民であるはずのアナタ…しかし、なぜか王国の『プリンセス』に指名されてしまい…!? 「プリンセス」の役目は、「この国の王子様を見つける」こと…

 むちゃくちゃである。王族は近親姦が増えすぎて奇形が増えるから外部から血を入れる的な……?(好意的解釈)

 

その他にも京都に旅行中、雷に打たれて戦国時代へタイムスリップしたり、財閥の子女として後継者を選定するハメになったりとトンデモ展開が多い。そうでもしないとイケメンに囲まれて選び放題なんてストーリー作れないから仕方ないのだが、最初に「プッ…笑」となる人はいるだろう。私も石油王と居酒屋で唐揚げつつくデートにめぐり合った時、吹いた。

 

そしてふと、この展開のむちゃくちゃさが「あるもの」に似ていると気付いた。

抜きゲーだ。

 

男性向けアダルトゲームには、ざっくり分けて「泣きゲー」と「抜きゲー」がある。前者は感動できる物語を交えつつ、オマケ程度にセックスが添え物になっているゲーム。後者はセックス!セックス!セックス!が売りのゲームだ。

そして後者では、女性からセックスを迫るという「現実ではめったにないこと」を正当化するためのむちゃくちゃな設定が多い。

例えば私が好きな抜きゲーの『大悪司』のストーリーはこんな感じ。

俺の名は『山本悪司(やまもとあくじ)』。このオオサカ市を管理する地域管理組合わかめ組の幹部だ。女性上位国家ウィミィとの戦争に負けて組に帰ってみれば、組長の愛人がトップになってやがった。

”組織のトップは女がならないといけねぇ”なんて指導方針らしいが、知るかよそんなこと。征服したら女をこまして、オオサカ統一だ!

 

話の筋は……イケメン王宮と同じくらいむちゃくちゃである。ただ面白いのは、男性の場合は「女性が次々とセックスを迫ってくる」というありえない設定を何とか正当化している。

ここで少し、悪ふざけを思いついてしまった。

抜きゲーの「セックス」に当たる部分を全て「結婚」に置き換えたら、女性向け恋愛ゲームができてしまうのではないだろうか?

 

というわけでやってみた。

主人公の聡子は大学4年生。彼女は隣室の男性、水森に恋をしていた。

しかしある日、主人公の隣室に蓮沼という男性が引越して来る。
蓮沼は商社勤務、穏やかな性格で家事も手伝う理想を絵に描いたような男性。

彼は聡子の恋愛事情を知ると「あなたが自信をもてないのは恋愛経験が足りないからだ」と言い「俺じゃ、だめかな?」と結婚を迫ってきた。そして水守と蓮沼、2人と結婚を天秤にかけたラブ・ゲームが始まる……!

 出典:妻みぐい

 

ちょ、ちょっとキュンってきちゃったんですけど!?!? いやこれはストーリーが穏便すぎて、結婚でなくても汎用性が高すぎたのかもしれない。そこで、少し趣向を変えてみた。

 

冴えない女子学生、田中翔子は影で「ブス子」と呼ばれ、浮いた存在だった。しかし課外授業の船が嵐に見舞われてしまう。

男子生徒と流れ着いた島。そこには未婚男性だけを蝕むウイルスがあり「結婚しないと、発作で死んでしまう」ことが明らかになる。

「こんなブス女との婚姻を……!? 死んでもごめんだ!」

嫌悪をあらわにしていた男性も、命のタイムリミットを前に従順となり、1人、また1人と主人公の元にやってくる……。

元ネタ:受胎島

 こ、これはこれで……いい…っ!?(鼻血)ブッチャーU先生の描くイケメン、何ならちょっと見てみたい。

 

最後に勇気を出して、ハードコア作品も試してみた。

目を覚ますと、白い密室に閉じ込められていたのは主人公の高遠めぐみ、そして6人のイケメンたち。
「これからゲームを開始します」
この部屋から脱出するためには、めぐみが「開錠者」となってイケメンの1人を「鍵」に設定し、指定された行為で「婚姻の儀を交わす」必要があるらしい。

「俺でよければ……好きにしていいよ」

緊縛、鞭打ち……強制される婚姻の儀と、明らかになってゆくイケメンたちの隠された過去。めぐみとイケメンを辱め、結婚させたがっている黒幕とは。そして脱出した先には何が待っているのか……!?

出典:euphoria

 

多少むちゃだけど、たぶん気になってプレイしちゃう。

 

まとめ

ここまで実験してみて、わかったのは以下のことだ。

  • 男性にとって、無茶な設定でもない限り自分からねだらないのが結婚
  • 女性にとって、無茶な設定でもない限り自分からねだらないのがセックス

男性にとっての結婚、女性にとってのセックス。どちらも「いずれすることでも、自分からオファーしたくない」という共通の価値観があると、この実験で分かった。

もし結婚を男性が、セックスを女性が積極的に推して来たらメンヘラか、何か裏の理由があるかもしれない。なにせそれは、抜きゲーや恋愛ゲームくらい、こっちの都合に合わせたむちゃくちゃな設定に付き合ってくれているのと同じなのだから。美味しい話は、二次元で堪能しておくのが一番よさそうである。

 

なお、今回サイバードについて知るきっかけになった本がこちら。女性の恋愛市場分析、映画監督経験から学ぶプロット構築の秘訣などが学べてあっという間に読んでしまった。

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