塾代だって50万円(!)かかる
教育資金は子どもの成長にしたがって増大していく傾向にあります.前回,大学進学にあたって,受験費用だけで50万円は用意しておいたほうがいいという記事を書きました.
そして,受験料とは別に年間50万円は軽くかかる別の出費が親にはのしかかっています.塾・予備校代です.
文部科学省の「子供の学習費調査」によれば,現役生の私立校高校第3学年で塾にかける平均費用は19万9,376円.
出典:https://www.jyukunavi.jp/special/jyukumoney/koukou.html
なお,最新のデータでは19万8,889円(出典:統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103),公立・私立とも全学年で金額が上昇しています.
しかし,この金額(19万8,889円)を見て,たいていの親御さんは「そんなわけないでしょ?もっとお金かかってるんですけど(怒)」と思うでしょう.年間50万円は塾・予備校代にかかってるのですから
出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/427982/2/
実際に子供を塾に通わせた経験上,志望校や家庭環境によって幅はありますが,現役高校3年生の塾・予備校代はざっくり50万円という金額はしっくりきます.
こんな話をすると,結局経済格差が教育格差をもたらすことに,というお決まりのパターンになりそうですが,世の中,そう捨てたものではありません.
今や,格安あるいは無料で受験勉強ができる時代なのですから.
この記事では受験サプリ(スタディサプリ)とmanaveeを紹介します.
受験サプリ→スタディサプリは月額980円
テレビCMも展開している受験サプリ.
受験サプリは2016年2月24日で会員登録は締め切られ,4月20日にスタディサプリ高校講座・大学受験講座に統合されるとのことです.
下の図は受験サプリに掲載されていた資料.
最大のウリはその料金の安さでしょう.塾・予備校の年間費用約50万円が,スタディサプリでは年間1万1,760円.ざっくり50万円節約できます(記事タイトルそのままの図があるなんて予想外でした).
受験サプリ・スタディサプリの利用料はなんと月額980円です.
だいたい週刊少年ジャンプ4週分弱ですね.泡沫ブロガーの月間アドセンス収益で支払える額です.
こんな格安料金なのに,講師はプロを擁している模様(受験講座講師|大学受験に効く【受験サプリ】を参照ください).受験生には名の通った講師ばかりとか.
なぜか各講師にはスタン・ハンセンの異名「ブレーキの壊れたダンプカー」のような通り名が付されています.「英語教育界の革命児」「英語成績アップの請負人」「数学の本質理解のトレーナー」「いとおもしろくする美人コンダクター」「地理アレルギーの救世主」などなど.なお,これらの通り名はなぜか大学受験講師紹介ページだけに付けられています.
さて,気になるのは月額980円の出費に見合うコンテンツの質・量がそろっているかどうかです.そこで,スタディサプリ(受験サプリ)への批判を探してみましたが,コストパフォーマンスについては概ね好評のようです.もちろん,このコスパの良さが最大のメリット.
月額980円で、有名予備校講師の講義動画が見放題、過去問や問題集もダウンロードできるという、信じられないほどの低価格なサービスですが、ほとんどの口コミは、スタディサプリ(受験サプリ)を支持していました。おもに「格安の利用料」と「有名予備校講師による講義の質」が評価されているようです。
(出典:http://cidunati-national.com/2015/02/post_15.html)
自分で検証してないのですが,うちの子が大学受験する頃に入ってみようと思います.
とはいえ,ネット授業よりも教室での授業のほうが勉強しやすい子とそうでない子がいると思います.こればかりは本人次第でしょうね.
でも,月額980円という低価格なら試しにトライしてみようかという気にはなりやすいです.こんなサービス,自分が高校生の頃に欲しかった・・・
一方,デメリットについてはサポート体制がないことです.質問・添削を受けられません.この点については低料金維持のため犠牲にしているとのことです.いたしかたないようですね.
受験サプリには昨年度、全国の受験生の半数近い約28万人が会員登録し、約200の高校が授業や補習などで活用している。編集長の松尾慎治さん(30)は 「様々な環境の人に一流の講義を提供するのが目的。受験生からの質問に答えるなどのサービスにはスタッフがもっと必要で、低料金が維持できないため、考え ていない」と言う。(出典:(3)地方の受験生にも、ネットで一流授業 : 教育 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE))
大学受験にあたってサポート体制を重視するなら塾・予備校を第一に考えたほうが良いかもしれません.
それはさておき, 受験サプリ(スタディサプリ)はリクルート社の山口文洋氏(現リクルートマーケティングパートナーズ社長)が立ち上げたネット授業サービス.私はたまたま家で購読していた新聞の紙面で知りました.
講師陣を含むインタビューはこちら.今や高校にさえ大規模導入されているとのことです.ご興味ある方はぜひ本文をお読みください.
無料ネット授業もある
受験サプリ(スタディサプリ)は月額が必要ですが,ネット授業には無料のものだってあります.
例えば「manavee」.当時東京大学の学生だった花房孟胤氏が立ち上げた無料受験動画サイトです.
「変だなと思ったんです。なんでそんなにお金がかかるの? って」――東京大学3年生の花房孟胤(はなふさ・たけつぐ)さん(24)は、高校生のころ、疑問に思っていたという。
友人が通っていた大学受験予備校「東進衛星予備校」は当時、DVD講義を受けるのに月数万円かかった。ブースでDVDを観るだけで数万円。「『なんでそんなに高いんだよ』という気持ちがあって。気に食わねぇなと。当時はビジネスとか、よく分かってなかったし」
だから自分で作ってしまった。受験勉強の講座を無料で視聴できるサイト「manavee」(マナビー)を。2010年10月にオープンし、3年経った今では約200人の講師が5500以上の動画を公開。全国の高校生など約5万人が視聴し、月間ページビューは約60万にのぼる。
(出典:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1311/22/news049.html)
無料という1点については受験サプリを凌駕しています.
ただし,プロ講師による授業動画ではないことと,受験に必要とされる講義の量が揃ってないという批判があるようです(manavee 批判で検索すると色々でてきます).課金ネット授業よりもコンテンツの質が低くなるのは当然でしょうけれど,無料のインパクトは強いです.また,こちらは講師への質問も可能とのこと.試してみても良いかもしれません.
無料・格安ネット授業の事業継続は厳しい・・・
2014年10月29日の読売新聞では,有料・無料のネット教育サービスを5つ紹介していました.
しかしながら,現在もサービス継続中なのは,この記事でとりあげた受験サプリ(スタディサプリ)とmanaveeだけです.
出典:http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/photonews/article.html?id=20141029-OYT8I50015
受験産業自体が少子化の煽りを受けて縮小しています.代々木ゼミナールが大量に校舎を減らしたニュースはまだ記憶に新しいでしょう.
講師の人件費・労務管理費・校舎の土地代等々,大手予備校よりコスト面では有利とされるネット教育サービスとはいえ,消費者のお眼鏡にかなわなければ淘汰されるのは必然です.
しかしながら,リクルートという大企業はやはり強いです.インターネット業界は新規参入しやすいですが,すでに十分耐えられるだけの事業になっているとのことです.
おわりに
この記事では,受験サプリ(スタディサプリ)とmanaveeを紹介しました.他にもネット授業はあるようです.自分が必要とするサービスを見極めて利用することをオススメします.
私は,家の経済事情から,高校2年生でバイトを始めました(受験期間中は休みましたが).無論,塾・予備校に通ったことなどありません(予備校の短期集中講座と模試だけは行かせてもらいました).
日頃の勉強は当時健在だった「大学受験ラジオ講座」でカバー.タイマー仕掛けて録音してました.「ラ講」は低所得家庭の強い味方だったのです.
でも,その「ラ講」はFM/中波放送から短波に以降後衰退するばかりとなり,1999年3月いっぱいで終了しました(出典:大学受験ラジオ講座 - Wikipedia).
そんな私にとって,無料ネット授業は「ラ講」の再来にも思えます.決して裕福じゃなくても勉強はできます.スマホ代・ネット接続料金,またネット授業によっては月額料金もかかりますが,塾や予備校に通わなくても勉強はできるのです(塾・予備校関係者の皆様,ごめんなさい).
もし親御さんがお金を捻出してくださるのなら,そのお金をありがたく使わせて貰って,一生懸命勉強してください.
来年の春,みなさんに桜が咲くことを祈っています.
ではまた!
【追申】科目に偏りがあるみたいですが,もしかしたら,ブロガーさんが勉強をみてくれるかもしれませんよ!
こちらのブログ主 まこっちゃん (id:makoto-endo)さんの記事からの引用です.
PS:上記の内容に関して、何か質問があれば受け付けます!
新受験生のみなさん大大大歓迎です。じ、じ自分の答えられる範囲でですよもちろん笑