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夏樹静子さん77歳=作家「Wの悲劇」

死去した夏樹静子さん=福岡市で2010年4月22日午後5時8分、矢頭智剛撮影

 日本の女性推理小説の草分けで、「蒸発」「Wの悲劇」など数々の秀作で「ミステリーの女王」と呼ばれた作家の夏樹静子(なつき・しずこ<本名・出光静子=いでみつ・しずこ>)さんが19日、心不全のため死去した。77歳。通夜は24日午後6時、葬儀は25日正午、福岡市中央区古小烏町70の1のユウベル積善社福岡斎場。自宅は福岡市南区大池2の6の1。喪主は夫で新出光会長の出光芳秀(よしひで)さん。

 東京都港区生まれ。慶応大学文学部卒。在学中に書いた初の長編「すれ違った死」が江戸川乱歩賞候補になり、NHKテレビの人気番組「私だけが知っている」のシナリオも担当した。1963年、結婚し福岡に転居。福岡を舞台にした「天使が消えていく」で再び乱歩賞候補になり、70年、単行本デビューを飾った。

 社会性のあるミステリーを手掛け、とくに「リーガル(司法)サスペンス」で本領を発揮。「弁護士 朝吹里矢子」シリーズや「検事 霞夕子」シリーズはもちろん、近年の「てのひらのメモ」「孤独な放火魔」は裁判員裁判を扱った。2009年の裁判員裁判第1号の審理を東京地裁で傍聴し、「民間の裁判員とはSFのよう。別世界だった法廷がぐっと近くなった」と感想を語った。

 73年、「蒸発」で日本推理作家協会賞、89年に仏訳「第三の女」でフランス犯罪小説大賞、07年には女性として初の日本ミステリー文学大賞に輝いた。緻密な心理描写で知られ、単行本は「量刑」「白愁のとき」など100冊を超える。評伝「女優X−伊沢蘭奢の生涯」、闘病体験記「椅子がこわい」、患者のインタビュー集「心療内科を訪ねて」の著書もある。「Wの悲劇」は薬師丸ひろ子さん主演で映画になり、ヒットを記録した。「検事 霞夕子」シリーズなど映像化された作品も数多い。

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