アルバイト・パートでも取得できる年次有給休暇についてのまとめ

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社畜のお前ら絶対見とけ!社畜・アルバイトでも取得できる有給休暇についてのまとめ



労働者には、給料をもらいながら仕事を休むことができる『年次有給休暇(有給休暇)』と呼ばれるものがあります。

ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休の際には、祝日や土日だけでは5連休にしかならないのに報道では最大で9連休や10連休などと言われていますよね。それはこの有給休暇によるものです。



有給休暇は一般的には『社会人の特権』というイメージがあるかと思いますが、実はこの有給休暇、正社員はもちろん、アルバイトやパートタイム、社畜などといった区別はなく平等に与えられる権利なのです。


ここでは知って得するそんな有給休暇制度についてまとめたいと思います。



◆年次有給休暇(有給休暇、有休)とは


年次有給休暇とは労働基準法により定められた制度で、労働者の休暇日のうち使用者(雇用主)から賃金が支払われる有給の休暇日のことです。(労働基準法第39条)

勤続6ヶ月以上のすべての労働者(ただし全労働日のうち8割以上出勤)に与えられ、以後1年毎に勤続年数に応じた決まった日数だけ与えられます。(下表の通り)



ただし、年次有給休暇には発生から2年間という期限があるため(労働基準法第115条)、保持できる有給休暇日数は最大40日となります。(期限内に消化できなかった分は消滅する)



ここでの大きなポイントは2つ!

有給休暇がアルバイト・パートタイムを含む『すべての労働者に与えられる』(ただし勤務日数条件あり)ということと、『労働基準法による制度』ということです。



◆有給休暇はアルバイト・パートタイム労働者でも取得できる


週所定労働時間が30時間未満のいわゆるパートタイム労働者(アルバイト)の場合には、その勤務日数に応じて有給休暇が比例付与されます。



①週所定労働日数が4日または1年間の所定日数が169日から216日の場合



②週所定労働日数が3日または1年間の所定日数が121日から168日の場合



③週所定労働日数が2日または1年間の所定日数が73日から120日の場合



④週所定労働日数が1日または1年間の所定日数が48日から72日の場合



有給休暇の賃金の支払いは通常の出勤1日分の給与となります。

ただし、シフト制などで勤務時間が一定でない場合は過去3ヶ月間の1日あたりの平均賃金が支払われることになります。(過去3ヶ月間の賃金の合計÷出勤日数)



このように学生アルバイトを含めるすべての労働者が有給休暇を取得できて、その有給休暇日に賃金が支給されるのです。

『有給休暇は社会人にしかない』と思っていたアルバイトの方には朗報ですね!




◆有給休暇は労働者に与えられた権利


雇用主による待遇の一環ではなく『労働基準法により定められた』制度であるため、

『うちの会社では有給休暇制度を導入していません』

といった有給休暇の拒否は違法行為にあたります。


つまり正社員、アルバイトなどといった区別はなく、上記の日数のとおり平等に与えられる権利なのです。



しかしながらこの有給休暇制度は会社によって扱われ方がまちまちで、会社全体で有給休暇の消化を推奨している会社や、グループごとで計画的に有給休暇を取得させる会社など労働者が有給休暇を取りやすいように制度を整えている会社もあれば、逆にあってはならないことですが『運営が回らなくなるから有休は使えない』など有給休暇がないものとして社員に通達している会社など様々です。


そのため日本国内の有給休暇の取得率は、約50%と世界最低レベルの低い水準となっています。ちなみに近年は日本と韓国がワーストを争っています。



とはいえ、有給休暇は労働基準法により定められた制度である以上、会社に有給休暇を拒否されることなく取得できるのです。


また、休暇取得理由も個人の自由です。(遊び、デート、旅行、ただ寝るためなどなんでもOK)




◆使用者(雇用主)には拒否権はないが『時季変更権』がある


このように有給休暇が労働者に与えられた権利とはいえ、全労働者が一斉に休暇に入ったり、繁忙期に大勢が長期休暇に入ったりすれば正常な運営の支障をきたします。


そこで使用者には、労働者から請求された有給休暇の時季が事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に有給休暇の時季を変更することができる『時季変更権』が与えられています。(労働基準法第39条第4項)



その他『年次有給休暇の計画的付与』という有給休暇を取得することを前提として社内カレンダーを作成することで、事業の運営に支障が出ないように有給休暇を消化させる会社もあります。


例えば暦上3連休になっているところに労働者の半分には3連休の前に2日間の休暇を設け、残りの半分には3連休の後に2日間の休暇を設けることで事業所の休日は3日間でありながら、労働者は5連休を取得できているのです。他にはグループや個人ごとに有給休暇取得を奨励する時季を設定して有給休暇日を分散させる方法などもあります。




◆不利益取扱いの禁止


一方、日本の有給休暇の取得率が低い理由に『後ろめたい気持ちがあるから』ということもあげられます。

経済が縮小している中、ある程度人件費を抑えている会社も少なくないため、ギリギリの人数で運営している現場を知っているからこそ自分が休むことで周りのスタッフに迷惑をかけるのではないかと心配している人も少なくないのではないでしょうか。



迷惑をかけたことで自分の評価が下がる、不当な残業をさせられるなどといった不利益を生じるかもしれないという理由で有給休暇の取得に踏み切れない人もいるのかもしれません。

しかし、使用者は年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないとされています。(労働基準法附則136条)


具体的には、年次有給休暇を取得したことを理由に精勤手当、賞与の額の算定などに際して、年次有給休暇を取得した日を欠勤などとして扱うことや、年次有給休暇の取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければなりません。つまり有給休暇を取得したからといって降格や処遇が悪くなるということはあってはならないのです。




また、休暇を取得した労働者の行っていた業務を引き継ぐ代わりのスタッフをたてることになりますが、これには

①業務を円滑に引き継ぐ際、業務の内容、進め方など非効率な部分をチェックすることができる


②交代業務をこなすために労働者の多能化促進の機会になる


③交代要員が代替業務をこなすことができるかどうかの能力測定の機会になる


④交代要員への権限委譲の契機となり、労働者の育成につながる


⑤休暇の有効活用により休暇取得者のキャリアアップを図ることができる


といった効果もあるといえますので、使用者は有給休暇を積極的に消化させていくべきなのかもしれません。




◆年次有給休暇についてのまとめ


◆有給休暇は所定の勤務日数を満たしたアルバイト・パートタイムを含むすべての労働者に与えられる


◆使用者(雇用元)は有給休暇を拒否することはできないが、有給休暇を請求された時季によっては労働者と相談して時季を変更できる


◆有給休暇を取得したことで、処遇が悪くなるなどの不利益な取扱いは禁止されている




以上、知って得する年次有給休暇についてのまとめでした。

これまで一度も有給休暇を取得したことがないアルバイトの方や、社畜の皆さんはこれを機にぜひ有給休暇を有効活用してくださいね!

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