もし、生まれる子どもが女の子だったら風花という名前にしようと思ってた。息子だったので「草生太」になったけど、その後できた大事な友達の子どもの名前は「風花」で、言語センスと仲の良さは比例するような気がしている。





一緒に働きたい人の決め手は?


「ヒビノさんは、一緒に働く人を、どうやって決めてるんですか?」とたずねられることがある。


そうやな〜、わたしは、基本フリーなので、働く相手もお互いに選ぶことができる。(ということは、選ばれる相手でもある必要がある)

以前はね、一番の決め手は「能力」だと思ってた。

それは今でも、前提として大事。


だけど、ぽっちり堂をはじめて8年、スタッフに働いてもらっていて、最近は講座でチームを組んで仕事していて、思うポイントは・・・


「同じ世界観を共有してる人」
 

共通言語があったり、

言語でなくても、センスが共通してる人。

あうんの呼吸っていうけど、それが、どこかにある人かな。


ぽっちり堂のあゆみちゃんと「すいか」


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そう実感したのは、うちのお菓子工房「ぽっちり堂」のスタッフ、あゆみちゃんを見て。彼女は、もう5~6年、うちで働いてくれている。コツコツタイプで、何をするにも丁寧。同じことを繰り返しても、飽きずに、心を込めてできる、ステキな人。


わたしは、同じことを繰り返すのが苦手。反対に、企画とかイラストとか、発信集客はできる。彼女のように、自分ができないことを、してくれる人がいること。お互い凸凹を補完しあえる存在であることは、本当にありがたい。


最初は、とてもおとなしそうな性格なので「大丈夫かな?」と思った。でも、「好きな映画とかある?」とたずねたとき、「木皿泉さん脚本の”すいか”です」と答えた時点で、この人とはやっていけそうだと思った。


すいか、というのはわたしが一番好きなドラマ。
関連記事)
弱った心のおかゆは、伝説のドラマ「すいか」。木皿泉さんの脚本は12年たっても色あせなくて、地味な人生の味わいを感じさせてくれる

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わたしもあゆみちゃんも、木皿さんの描く、空間性や情景が大好きだ。懐かしいのにコミカルで、日常なのにとくべつな発見が忍ばされていて。

「あの、風車が庭でくるくる回ってる空気感を、この店でも出したいの」
「あゆみちゃん、ぽっちり堂のクッキーは、すいかみたいな感覚で作って欲しいんだ」

そういう会話で通じるところが、とても助かってる。


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一般的に「スタッフは育てていくもの」と言われる。その通りだと思う。 一方で、いろいろな方と働き、試行錯誤してみて”だれもが伸びるけれども、どんなに頑張っても根底の価値観やセンスは、変わらないんだなあ”と思うところがある。
 

そこがあまりにズレていると、お互いに苦しむ。 立ち入ってはいけないところまで、立ち入って、害し合うことまで起こりうる。だから、その根っこが共通している人を選ぶことは、大切にしたい。その方がお互いにいいものが作れるし、あとあと「この人なら大丈夫」と安心して任せられる人材になるから。


オーダーメイドの家作りが安心して進められるポイント


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あ、そうそう。オーダーメイドの住宅を作る時も、まず探したのは”言うこと聞いてくれそうな、器用な職人さん”ではなく、”センスを共有できる、クリエイティブな大工さん”。参考)

陶器も家も!オーダーメイドを楽しくするコツ「大切にするものは大切に作り合ったもの」

この、センスって部分が合ってないと、いくら「こうして、ああして」と言ったところで、ちぐはぐなものができる可能性が高い。アンティークの和骨董で揃えた古民家に、ディズニーグッズが置いてある感じで。


センスを共有するには、いちいち説明に時間がかかるので、コストと手間が半端なくかかる。
だから、家を作るときにはまず、彼の今まで作った建物やリノベーションしたホテルに滞在したりして、どんな作品なのか体感してきた。


心の奥からすてきだと思えるものであり、その空間にいると落ち着いたので、 「 この人に任せれば間違いない」とお願いした。


最初は世界の建築の写真を参考にして、 「地中海っぽい感じ」とか「外国のゲストハウスっぽい感じ」「緑が、家と融合してる感じ」とイメージを共有する。素材は、土佐しっくいと、地元の木と、スペインのタイルで作りたい、そんなことも。
 

 あとはほとんど彼がデザイン・設計をしてくれた。それは、わたしたちが思った以上のものになった。自分だけだとイメージの枠の中でおさまってしまうものが、センスを共有しさらに技術も持ち合わせる人と組み合わさることによって、イメージを超えた形で現実化する。

そんな姿を見るのは楽しくて嬉しい。だから、まず何をするにもセンスを共有できる「人選び」からすることが大事だと思う。


学びの土台の共有化


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そして、センスだけでなく「共通言語がある」というのもポイント。コミュニティを作るには、まず共通言語を作ること。”ワンピース”という言語が何を指すのか共有できなくては、一緒に冒険の旅に出られない。

最近、自主開催講座の運営をともにしているチームメンバーとは、共通言語を育てていってる。もともと、同じ学びを共有していた方だったこと、大きな方向性が似ていることが大きい。
チームとして機能していく上で、見えないけど大切なことだなあと感じる。


もしチームで動くとき、わたしが、「それはわたしの仕事じゃないから、一切わからないし知りません」というスタンスをとっていけば、いつか一緒に物事を作っていけなくなるだろう。


 自分にはできないことをしてくれる相手の、”してくれていることの意味”が理解できること。”自分の動き方の意味”がわかること。


これは、仕事上のチームだけでなく「家族」というチームにおいても、大事なことだなと思う。夫がしていることがわかる、妻がしてることがわかる、何をしていきたいかわかる。何をしてあげればいいか、わかる。そこを共有化した上で、動いていくこと。(関連記事飽きないカップルの特徴と「ローテーション夫婦」
 

わたしの講座に来られる方同士も、会ってすぐ、もんのすごい深い話をしていて、びっくりすることがある。「こんなこと、近くに住んでる人とも、友達とも話したことないですよー」っておっしゃるくらい。その人の人生の根幹・価値観にあたることを、安心して話せるのだ。


これも、 「ヒビノの世界観が好き」という共通の土台があるからこそ、起こる現象。そういう場に身を置くことも、一緒に何かを作っていける人を見つけるための一歩。


3つのまとめ


・世界観が共通する人と、働くこと。

・共有言語を持つ人と、チームを作ること。

・共通の学びの土台を作っていくこと。


 この3つを大切に、凸凹が最高の形で組み合わさるように、動いていきたいね。


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