こんにちは。
先日ブログで賭博野球をテーマとしたマンガ
「ONE OUTS」を紹介したらそれなりの反響をいただきました。
野球マンガは読まないけど面白そう!という
コメントもいただきましたが面白いのは僕が保証。
本日はその面白さをできるだけ実況中継っぽく
語ってみましょう。
※このブログについてはネタばれあり。
ここでおさらい。
一打席の三球勝負。ヒットやホームランなら打者の勝ち。
討ち取られたり三振だったら、投手の勝ちという賭け野球
499戦無敗を誇るピッチャー
「渡久地 東亜(とくち とうあ)」は
野球界の宝とされる大ベテラン打者の児島に
その才能を見出されて
プロ野球選手となり、児島のいる弱小チーム
「埼京彩珠リカオンズ」に入団します。
特例中の特例となる入団に渋る
フロントを納得させるため
渡久地はこれまた前代未聞の契約を提案。
①ワンアウト単位で500万円の報酬を球団は渡久地に支払う。
②代わりに渡久地は1失点5000万円のペナルティを球団に支払う。
球団はその提案をあっさり認め、
渡久地はその契約に負けて
泣きついてくるか尻尾を巻いて
逃げるだろうとほくそ笑んでいました。
だけど。
二軍の試合で渡久地は打者を
全員シャットアウト。
一軍のオープン戦で
ノーヒットノーランを達成。
その実力を球団内外に示す結果に。
この2試合の報酬ですでに
数億円を支払った球団は
渡久地をつぶそうと本腰を入れます。
リカオンズのオーナーは
契約に条項を追加。
①ベンチの指示には必ず従う。
違反した場合は違約金5億円を支払う。
②試合の重要度によって、
契約のレートを変更できる
(例えばレートを4倍で1アウト2000万、1失点2億)。
③このワンナウツ契約について口外しない。
そのうえで、オーナーはリーグ
最強の打率を誇るチーム
「千葉マリナーズ」との3連戦全試合で
先発登板を渡久地に命じます。
渡久地は巧みな投球と心理戦、
仲間たちの援護を受けながらも
肉体疲弊と引き換えに1戦、2戦を勝利。
3戦でオーナーはいよいよ牙を剥きます。
1戦、2戦で体力を使い切った
渡久地に20倍のレート!
500万×20でワンナウト1億。
5000万×20で1失点10億。
マンガだけに現実離れした金額ですが
その常識ハズレな金額の大きさが
「どーすんのよ?
もう疲れきってて投げられない!
勝てるわけないじゃん!」と
読者をすっごい引き込みます。
んでもって実際に渡久地は
相手チームにボコボコ打たれまくって
4回までで16失点。
10億×16=160億円負け。
こんな絶望的な展開でも、
渡久地はなお不敵に笑い続けます。
疲労困憊の渡久地を打って打率の
アベレージを稼げると
相手のマリナーズ打者陣が
喜び合っているなか、
キレ者で渡久地最大の宿敵になる選手、
高見は違和感を抱き続けていました。
今までのゲームであれほど勝利に
こだわっていた渡久地がこんなに
あっさり勝負を投げる筈ないと。
高見の想像どおり16失点は
渡久地の罠でした。
その渡久地のしかけた罠に気づいた
高見は大慌てでチームメートに
「もう打率を上げるな!
この試合を終わらせるんだ!」と絶叫。
この日のスタジアム周辺には、
夜から大雨警報が出ていたのでした。
野球のルールでは5回までに試合が
成立していないと降雨コールドで
ゲーム不成立になる。
相手チームに大量得点させて
ゲームを引き伸ばしたのは
大雨を待っていた時間稼ぎでした。
天気予報では試合会場が
大雨になるまで1時間。
優位に立っていたと思い込んでいた
マリナーズはゲームを成立させる
ために焦り、リカオンズは逆にゲームを
長引かせるために時間稼ぎ。
物語はゲームの勝ち負けから
時間の奪い合いとなっていきます。
ん?
でもちょっと待った。
さっきも書いたとおり渡久地は
どんな時も勝ちにこだわるギャンブラー。
3戦を2勝できたことで良しとするのでしょうか?
実は、
この降雨コールド作戦もまた罠
ゲームをどうやって長引かせるかを
考えるチームメートに渡久地はいいます。
渡久地の目的は、あくまでも勝利。
16点をひっくり返す。
つまりそれは17得点で
ゲームを終わらせることになります。
だけど、それでは160億ー27億(9回まで27アウト)で
133億円の赤字となります。
たとえ17対16でリカオンズ勝利でも
借金133億を背負う計算になってしまう。
ところが、渡久地はその借金を背負わず
野球のルールブックにのっとって
オーナーから大金をブンどれる
作戦があるというのです。
その意外な作戦とは何なのかってところで
本日のブログはこれにて。
ONE OUTS 1【電子書籍】[ 甲斐谷忍 ] |
※この漫画がヒートアップするのは
マリナーズ戦収録の3巻から。