東芝は、ハウステンボス近隣に位置する『変なホテル』において、水素エネルギー供給システム『H2One』の運用を開始したと発表しました。

H2Oneは、太陽光発電、蓄電池、水素製造装置、水素吸蔵合金タンク、純水素燃料電池からなるエネルギーマネジメントシステム(EMS)。二酸化炭素を排出せずに電力を安定供給できる点を特徴としています。

『変なホテル』におけるH2Oneの運用としては、夏季に蓄えた水素を冬季に消費することで、水と太陽光発電のみによってホテルの電力消費を賄っています。

具体的には、日照時間が長い夏季に太陽光で発電した電気の余剰電力を利用して、水素製造装置で水を電気分解し、製造した水素をタンクに貯蔵しておき、冬季には貯蔵した水素を利用して、純水素燃料電池で発電する方式を採っています。

変なホテル』は、ロボットがメインスタッフのロボットホテル。フロントやポーター、クロークをロボットが担当するほか客室の鍵を顔認証とするなど最新の技術を積極的に取り入れ、"変化し続ける"ことをコンセプトとしています。客室は全6棟、144室。

東芝は2014年より水素燃料電池をはじめとした水素事業の研究開発および事業展開を本格化しており、今回『変なホテル』で運転が始まったH2Oneは、2015年に公園施設『川崎マリエン』に設置され、実証運転が始まっています。

H2Oneは水と太陽光のみで稼働でき、災害時においては300名に約1週間分の電気と温水を供給する能力を持っています。設置場所の川崎マリエンは工場地帯の東扇島に位置しており、帰宅困難者の一時滞在施設にも指定されているため、実運用時の活躍が期待されています。
東芝、『変なホテル』の動力源として水素エネルギー供給システムの運転を開始

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