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 三重大(津市)は、イルカの繁殖を研究する「鯨類研究センター」(仮称)を新年度に国内の大学として初めて設置する。昨年5月に日本動物園水族館協会(JAZA)が追い込み漁によるイルカの導入を禁止したことを受け、国内で課題となっている安定した繁殖技術の確立をめざす。

 大学によると、センターは学内に設置。鯨類が専門の吉岡基教授(同大副学長)が中心で、外部の研究者も招き、協力を得られた水族館で研究を進める。

 JAZAによると、これまで国内でのイルカの導入のほとんどを追い込み漁に頼ってきた。国内の展示の大半を占めるバンドウイルカは、2014年末現在で31の会員施設で271頭が飼育されているが、20年後には3分の1に減るとの試算があるという。

 吉岡教授の説明では、イルカは発情期の長さや排卵回数の個体差が大きく、飼育繁殖に成功しても1年未満で死んでしまうケースが多い。生態を研究して適切な自然繁殖の技術の解明をめざし、各地の繁殖事例や近親交配を防ぐための遺伝子データの収集も進める方針だ。吉岡教授は「国内の水族館の課題解決に貢献したい」と話している。

■三重大HPに「アノニマス」攻撃か

 三重大(津市)のホームページ(HP)が閲覧しづらい状態になっていたことが15日、分かった。同大は、大量のデータを送りつけてサーバーをパンクさせる「DDoS(ディードス)攻撃」とみている。