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News Up “立って会議” その効果は?
3月15日 17時45分

News Up “立って会議” その効果は?
職場で毎日のように行われる会議やミーティング。長時間に及んでうんざり、眠くなって困った、という人も多いのではないでしょうか。
そんななか、ネットで話題にあがっているのが「スタンディング会議」。立った状態で打ち合わせ、話し合いを行い、短い時間で効率的に情報共有しようという試みです。

16時間から4時間に

精密機器メーカーの「キヤノン電子」。平成12年に「スタンディング会議」を取り入れました。
きっかけとなったのは、アメリカの大学の研究成果です。

「会議で出されるアイデアは、立っていても座っていても変わらないが、立って行った会議のほうがアイデアを思いつくスピードが30%早い」

取り入れてみると、採用前には16時間、2日がかりで行われた役員会議が、午前中のみの4時間で済んだということです。
オフィスの片隅に立った状態で使う机を置き、思いついたときにすぐに会議やミーティングをできるようにした結果、さまざまな効果が見られるように。これまで以上に社員どうしのコミュニケーションが図れるようになったほか、いすにかかる費用が浮き、いすをなくした分のスペースも生かせ、さらには腰痛の解消や体脂肪の軽減といった社員の健康にもつながっているとしています。
「スタンディング会議は生産性向上のための一つの手段」と説明するこの会社、今は高さ調整のできる机を用意し、社内会議のとき時は立ちスタイル、社外の人との打ち合わせでは座るスタイルに切り替えて対応しているということです(冒頭の画像)。

創業当時から取り入れている会社も

この「スタンディング会議」を60年近く前の創業当時から続けている会社もあります。生活用品の企画、製造、販売を行う「アイリスオーヤマ」です。従業員5人程度の町工場だった創業時、工場の生産ライン上で問題が発生した際に迅速に対処するためにこのスタイルを導入しました。
以前はキャビネットなど、立って話し合うにはちょうどいい高さの場所に集まって会議をしていましたが、現在は高さ1メートル、直径1.2メートルの専用の丸テーブルを使用しています。6人くらいまでなら窮屈なく集まれるサイズで、ホワイトボードとともに、オフィスや役員室など、至る所に置かれていると言います。
全社的な会議や社外の人が訪れた際のミーティングは、会議室で座った形で行うということですが、毎日の朝礼をはじめ、職場での意思疎通を図るのにスタンディング会議が用いられ、スペースは連日、頻繁に利用されているということです。
会議やミーティングというと、資料を用意したり、パソコンでプレゼンテーションしたり、部屋を確保したりと、何かと手間ひまがかかるものですが、これを省くことができることから、社員からは「思いついたアイデアをすぐに担当者どうしで情報共有でき、短時間で問題解決できる」と好評だということです。

約1か月後に「慣れてきます!」

ネット上に投稿されていた、「会社で立ったままミーティングを初めてした」という書き込み。その後、感想が大きく変わっていました。

「本当に疲れた。座っていたほうがミーティングの内容に集中できる」

これが当初の感想。それがおよそ1か月後には、次のように。

「不思議なことに慣れてきます!自分でもびっくりです」「集中して会議の内容に取り組むことができました。スタンディングでの会議を検討している人がいれば、まずは継続して1か月続けてみてください」

仕事を進める際、必ずと言っていいほどついて回る会議やミーティング。効率的なビジネスの在り方について多数の著書を出している永田豊志さんは、多くの企業が会議の長さや非効率性を問題視していると感じているそうです。
永田さんは「会議のむだを省き、創造的なことを議論できる場を作ることができれば、参加者も会社もハッピーになれる」と指摘。生産的な会議には「Small numbers(少人数)」「Short time(短時間)」「Standing(立つ)」の3つが欠かせないとして、頭文字をとった「3S会議」を提唱しています。
スタンディング会議について、企業を対象にした体験会をこれまでに100回以上開いたということです。
「会議を集中して成果を出すのであれば、15~20分が最適で30分が限度。それ以上やっても思考能力は鈍くなるだけ。立った状態で話し合い、短い時間に課題を押し込めることで、人は集中し、創造的な作業にのめり込むことができる」

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