人間対AI:囲碁ソフト連勝にざわつく韓国ネット社会

「アル師範」「アル九段」「アル神」「アル怪物」…
「アルファ碁」パロディーが続々登場
「『アルファ高』はどこにある高校? 是非うちの子を入れたい」

 人工知能囲碁対局プログラム「アルファ碁(AlphaGo)」が韓国最高の囲碁棋士・李世ドル(イ・セドル)九段(33)を終盤に追い込み、勝利するなど実力を発揮したことから、世界で注目を集め、さまざまな別名が登場した。プロ囲碁棋士は普通、「パク四段」「キム・プロ」「ユン師範」などと呼ばれるが、「アルファ碁」は機械なので、何かこれまでとは違う別名が必要になったのだ。

 プロ囲碁棋士の間で最もよく言われている「アルファ碁」の別名は「アル師範」だ。囲碁棋士社会で最も一般的な呼称である「師範」を「アルファ碁」の姓に当たる(?)「アル」と共に使ったものだ。インターネット上で解説を担当した若手プロ囲碁棋士は、公式解説でもこうした表現を使っており、「アル師範」は正式な呼称(?)になろうとしている。もっと身近な呼び方として「アル兄(アル先輩というのに近いニュアンス)」も広がっているが、囲碁らしさに少々賭けるというのがアル師範との違いだ。

 「アル九段」という別名もある。「アルファ碁」は当初、これを開発した米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー「ディープマインド」社が独自に五段だと段位を発表していたが、韓国最高の囲碁棋士・李世ドル(イ・セドル)九段を連破したため、九段に超スピード「昇段」したということだ。それと同時に、「アル・ゴッド(GOD)」という別名も登場した。囲碁の神様のように強いという意味だ。「アルファ碁」の驚異的な実力に畏敬(いけい)の念を込めたのだろう。このほか、「アル・モンスター(怪物)」など、対局が進むにつれて「アルファ碁」の別名も増える傾向にある。

 インターネット上には最近、「アルファ碁」ならぬ「アルファ高」という言葉もたくさん登場する(韓国語の発音で高はゴになる)。全国の中学3年生を持つ母親たちの間で「うちの子どもを入学させなくてはと思っているんだけど、『アルファ高』ってどこにあるの?」というジョークが飛び交っているのだ。「なぜ突然高校?」と思いの方もいるだろうが、「世界の李世ドル九段」を2回も負けさせくらいなら、自分たちの子どもも是非、この高校に入学させなければ…というのがことのようだ。

李洪烈(イ・ホンリョル)囲碁専門記者
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