4月1日付で課長職に昇格する。そういうわけで、ベストセラーの『そうか、君は課長になったのか』を読んだ。
《目次》
与のため人のため
「 人にほめられ、人の役に立ち、人から必要とされる」こととは、すなわち「世のため人のため」になっていることだと思います。
これは、私が長年心に秘めてきた、「『世のため人のため』に生きることが『自分のため』になる」という考え方につながります。
本著の中に、障害者をどんどん雇用して社員75人のうち54人が知的障害者で構成された会社の話がでてくる。その会社の会長は、禅僧に「なぜ知的障害者がこんなに一生懸命働くか?」聞いてみたそうだ。
禅僧は「人間の究極の幸せ」は4つあると答える。
- 人に愛されること
- 人にほめられること
- 人の役に立つこと
- 人から必要とされること
「人に愛される」以外の3つは仕事をとおして得られるものだ。
これが佐々木さんの考え「『世のため人のため』に生きることが『自分のため』になる」につながる。回り回って自分に還ってくるから人のためになることをしようや、ということだ。
この考え方には衝撃を受けた。
「世のため人のため」とか「世の中を変える」と言っている人は、相当デカいことを既に成し遂げていない限り「怪しい」と感じてしまう。キレイごとを言う人より、「自分のため」と本心をさらけ出す方が誠実で、信頼できる。
ただ、はじめから「自分のため」だと表明して行動するのはさすがに印象が悪い。だったら少なくとも頭の中では「自分のため」をつきつめた結果、「世のため人のため」のことをしてやろうと考えてはどうだろう。そうすれば「良い子ぶりたくないなあ」というあまのじゃくな紳士淑女も、心置きなく自然体で「世のため人のため」になることができる。
この考え方を忘れないように、「与のため人のため」という言葉で覚えることにした。
課長が取り組むべき仕事
さすがベストセラー。本著には課長が取り組むべき仕事が事細かに書いてあり、とても参考になった。取り入れたいとおもったものを挙げておく。
- プレイングマネージャーになるな
- 部下を直接指導して成長させることができるのは「課長」だけ
- 社内外の関係者への政治力も大事
- 部下に「どんな課にしたい?」「どんな人材ほしい?」と本音を聞く
- 話を引き出すために一番若い部下から面談する
- 「在任中に何を成すか」を決める
- 重症度を5つにランキングする
- 2段上の上司の立場で考える
- 直属の部長に「自分は2段上の上司と信頼関係にある」ことを知らしめる
どうだろうか。ここに挙げたものはぼくが陥りそうな罠で特に気をつけておきたいことで、すでに今できていることは排除している。
『そうか、君は課長になったのか』は読む人によって響くところが違う本だと感じた。課長になる人も、そうでない人も学ぶところは多いだろう。