大内悟史
2016年3月4日14時43分
週末の昼下がり。行き止まり式のホームに、煙を吐きながら1940年製造の蒸気機関車、C11型190号機が客車を従えて悠然と入ってきた。
大井川鉄道の千頭(せんず)駅はSL列車の折り返し点。南アルプスにつながる静岡県川根本町の谷あいにある。普段は静かな山里の駅も、SL列車が着くと、降り立った乗客でつかの間のにぎわいが生まれる。
「楽しかった。音がすごかった」
母親や祖母ら3世代で乗車した名古屋市の川瀬太心(たいしん)君(6)は声を弾ませた。愛知県豊橋市の森光宏さん(41)は何度も来ているリピーター。乗務員の帽子をかぶった息子の悠真(はるま)ちゃん(2)をSLの運転席に座らせて記念撮影をした。「週末の定番目的地。でも運転席は初めて。感激しました」
大井川本線でSL列車を復活させてから今年で40年。首都圏や中京圏から観光客を集めるローカル私鉄の昔は、違う姿だった。
残り:908文字/全文:1296文字
おすすめコンテンツ
メール送信に際しては、連絡先の住所・電話番号を明記ください。また、下記連絡先にご一報ください。
東京本社写真部 03-5541-8518
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
PR比べてお得!