記事詳細
【正論】
トランプ旋風の裏に白人オヤジ層の不満 薬物やアルコール乱用で死亡率も悪化… 吉崎達彦
「どうしてこんなになるまで放っておいたんですか」
「まさか、ここまでひどくなるとは思っていなかったから…」
スーパーチューズデーの開票速報を見ていて、思わずこんな会話が脳裏に浮かんだ。
今年の米大統領選挙は異変続きである。民主党のフロントランナーは、大方の予想通りヒラリー・クリントン前国務長官だが、ここへ来るまでに「自称・民主社会主義者」のバーニー・サンダース上院議員の猛攻にあった。おかげでクリントン氏自身の発言が相当に「左旋回」してしまった。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への反対姿勢など、日本から見ても気になるところである。
《しわ寄せ受ける白人中年層》
それ以上に悩ましいのは共和党である。「不動産王」ドナルド・トランプ氏の勢いが止まらない。これを宗教的保守派のテッド・クルーズ上院議員が追う。エスタブリッシュメントと呼ばれる共和党の本流派からすれば、悪夢のような展開である。
関連ニュース
- 【米大統領選】“やられたら100倍返し”で罵るのはトランプ氏の「ビジネス哲学」 不安定な米社会ではこの気質が「頼もしい」
- 【トランプ研究】傲慢で怒りっぽい「扇動家」 政治のアウトサイダーが大統領選で旋風巻き起こす 「投票と世論を先導するのは自分だ!」
- 【米大統領選】「ストップ・トランプ」が活発化 フロリダ州でCM枠買い取り攻撃
- 【トランプ旋風】正反対だけど嫌われ者同士 クリントン氏と本選意識し舌戦 「女性に無礼」「女性はヒラリーが好きじゃない」
- 【米大統領選】トランプ、クリントン両氏は南部で強さ サンダース氏「民主党指名、望みほぼなくなる」と米紙
- 【米大統領選】トランプ氏圧勝させたのは南部の政治風土、本戦の鍵握るバージニア州北部は…