刺身って修行が必要なイメージがありますが、実はスーパーで販売されているくらいの刺身なら家庭で簡単に造れます。
でも、正直なところ、自宅で刺身を切るなんてめんどくさいですよね。分かります。
ー刺身なんてわざわざ切らなくても、切った状態で売られてるじゃん
こう思う方もいるでしょう。しかし、しかーし、刺身の切り方を覚えることで受けられるメリットはあるんです。
刺身が切れることのメリットをまずは解説してみましょう。
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刺身の切り方を覚えるとこんなに良いことが
切った状態の刺身を買えば作業は必要ないので確かにラクでしょう。
だけど、自宅に持ち帰って「切る」という作業をするだけで、受けられるメリットは大きいのです。
- 今より美味しい刺身を食べることができる
- 同じ価格で今よりもっと食べることができる
- 好きな刺身だけを盛り合わせることができる
私が考え付くのは上の3つのメリットですが、この3つが大きなメリットになります。
今より美味しい刺身を食べられる理由
刺身は切ってから時間が経つほど劣化します。
その理由は、空気に触れることで酸化が始まるからです。さらに、時間が経過することで乾燥して味が劣化します。
切られた状態だと、切った断面が空気に触れることになるのは言うまでもありません。
つまり、刺身は食べる直前に切るのが美味しい食べ方ということになります。
もうお分かりでしょうが、刺身の切り方を覚えることで、今まで購入していたカットされた刺身より美味しい刺身を食べれることになります。これは最高ですね!
また、厚さも自身で好みの大きさに切れるメリットもあります。
同じ価格で今よりもっと食べることができる
スーパーでも魚屋さんでも、刺身、柵(ブロック)、丸魚、が販売されていますね。
普段、切った状態の刺身を購入している方は、柵(ブロック)を購入し自宅で切ることで、同じ価格で切った状態で購入するより「量」を食べることが出来ます。
柵というのは、下の画像の状態のことです。↓
この状態でグラム単価で販売されているのを見たことがあるでしょ?柵売り、ブロック販売なんて呼ばれます。
私の地域のサンプルになりますが、鹿児島では人気のカンパチの刺身で比較してみました。
地域で販売されているカンパチの刺身は、8切で398円が平均でした。で、この8切のグラム数はというと、店によって差はありますが大体が70g~80gのようです。
続いて柵のグラム単価が100g当たり420円、刺身が8切で親切なお店が80gということなので1切れは10gになります。ということは100gで10切れ取れる計算に。
※柵を購入すると、よほど不親切な店でない限り大根のツマはもらえますので、近くの店員さんに声をかけてもらいましょう。
これは量が多くなるほど、自宅で切った方が割安になります。やっほうですね!
好きな刺身だけを盛り合わせることができる
これは言うまでもないでしょうが、好みの魚だけを選んで盛り合わせることができます。
私自身、魚に関する職種に就いていましたが、お客から聞かれることが多々ありました。
ーこの盛り合わせで○○を抜いて作ってもらえないかしら。
盛り合わせの場合、中身が変わると価格が変動します。そりゃ当然ですよね。
盛り合わせの中身を全部マグロに変えて!なんて言われて、変更してたら赤字になっちゃいますよね。だけど、自分で刺身を切れたら安心です。
柵で売ってもらって、もしくは柵で購入して、好きな魚種だけで盛り合わせを作ってしまえば良いんです。
刺身の切り方を覚えることで、好きな魚種だけの盛り合わせを作ることも可能です。こりゃぁ、たまりませんなぁ。わはは。
さて、ここまでの解説で、自分で刺身を切れることはメリットがあることが理解できたでしょうか?
今より美味しい刺身が食べれて、コストが下がり、好きなものだけ食べられる、これって最高ですよね。
ではでは、刺身の切り方について解説しますので、しっかりと学んで今後に活かしましょう。
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刺身の切り方
今回は丸の状態ではなく、柵(ブロック)の状態で購入する前提で解説します。
もし、丸の状態の魚を購入する場合は、店員さんに「柵の状態にしてください」と依頼すると良いでしょう。
現在は、ほとんどのお店が調理のサービスを提供しているので、気軽に調理を頼んでみるのがベスト。
まずは刺身を切る場合の注意点から解説してみましょう。
刺身を切る場合の注意点
刺身を切る場合に注意したい点は3つあります。
- もちろん怪我に注意する
- 包丁全体を使って力でなく「包丁」で切る
- 力は抜くが人差し指にだけ力を入れる
この3つに注意して欲しいです。
包丁に慣れないうちは怪我をしやすいので、焦らずにゆっくりと切っていきましょう。2.3については、切り方を説明する際に。
刺身を切って平造りにしてみよう
皆さんが知るところでは代表的な刺身の方法でしょう。色んな切り方がありますが、普通に刺身を作る場合はこれで充分です。
平造りだけでなく刺身は全般的にいえますが、高い方を「奥」にして切ります。(※包丁の構造上の理由で力が伝わりやすいのです)
この場合、上で述べた注意点の2、3に気をつけなければなりませぬ。詳しく解説してみましょう。
包丁の持ち方のコツと包丁の使い方
基本的に包丁はしっかりと持ちます。基本の持ち方がこちら。
この持ち方で刺身を切っていく訳ですが、人差し指に神経を集中させてください。
人差し指に力をこめるというイメージより、人差し指”だけ”しっかりと添えるイメージかな。そうすることで、自然と人差し指にだけ力が入ります。
で、包丁に慣れてない場合で、刺身が綺麗に引けない原因の1つに力で切っているからという理由があります。
力だけで切ってしまうと、魚の繊維が崩れて見た目も味も悪い刺身になってしまいます。
包丁の構造上、根元から刃先まで使うことで「切る」ことができるようになっているので、刺身を切る際は包丁全体を使うことを忘れないで下さい。
それでは次のステップへ。
実際に刺身を切ってみよう
最初に包丁を入れる場合に、根元の方を意識して包丁を当てます。ちょっと極端に根元を当てていますが、これくらいの気持ちで良いでしょう。
この状態から半月を描くイメージで引くことが大事です。
包丁の刃の全体を当てるように、滑らせるように、包丁の重みで「切る」感覚で引きましょう。力は不要です。
イメージ的には上の画像のような感じ。ちょっと分かりにくいでしょうがw
最後は刃先で下まで切ります。包丁全体を使って切ったのなら、最後は下の図のようになるはずです。
切り方について解説しましたが、画像ではあえて左手を見やすいように添えていませんが、もちろん左手も使って切ります。
左手は指を曲げ、包丁を曲げた指に添えて切っていきましょう。
説明は不要ですが一応、左手の指は伸ばさずに曲げることで怪我を防げます。
怪我をしないように注意しながら、丁寧に切ることを心がけてください。指でも切ってしまうと、赤い刺身になっちゃいますから。
切れたら右に送り重ねる
これが平造りと呼ばれる刺身の手法です。根元から刃先までを使って切り、右側に流していきます。
これをくり返して行くことで、皆さんが良く見る刺身ができあがります。
刺身の先端部分を意識すると綺麗に盛れます。
これは慣れるとよそ見してても綺麗に並べられるようになりますので、回数をこなすことが大切です。
そぎ切り
高さのある魚に関しては平造り(平切り)に、高さの無い魚に関しては「そぎ切り」にします。
平切りがマグロ、カンパチ、ブリ(ハマチ)など、魚体の大きな魚に適しているのに対し、そぎ切りは鯛、ヒラメ、フグなど高さのない魚に適しています。
高さがない=身が薄いというわけです。こうすることで、身の形や大きさに関係なく、形の整った刺身を造ることができます。
こちらも平切りと同じく、包丁の全体を使って切ります。左手の指の腹の部分で厚みを感じながら切っていきます。
そぎ切りは怪我には充分注意が必要です。
根元から刃先までを使って切りましょう。
この際も上述した「線」を意識して並べていきましょう。
ふぅ、長くなってしまいましたが、これで刺身の切り方は終了。
家庭で使う切り方は、この2つを覚えておくと充分です。刺身の技術はおくが深いもので様々な切り方があるのですが、紹介した2つの切り方が基本になります。
家庭で食べる刺身を美味しくいただく為にも、そしてもっとお得にするためにも、おぼえておいて損はない技術なので、この機会に学んでおきましょう。