トップページ社会ニュース一覧トクホの表示巡りライオンに初の勧告
ニュース詳細

トクホの表示巡りライオンに初の勧告
3月1日 17時08分

トクホの表示巡りライオンに初の勧告
k10010427451_201603011712_201603011714.mp4
「血圧が高めの人に適している」という内容で、トクホ=特定保健用食品として国の許可を得た飲料を巡り、大手日用品メーカーのライオンが「驚きの血圧低下作用」などと表示したのは、著しく効果を誤認させる違法な表示だとして、消費者庁は、ライオンに対し再発防止を求める勧告を行いました。トクホの食品表示を巡り、国が勧告を行うのはこれが初めてです。
消費者庁が違法な表示を指摘したのは、大手日用品メーカーのライオンが、トクホ=特定保健用食品として国の許可を得て販売しているお酢を使った飲料の「トマト酢生活 トマト酢飲料」です。
消費者庁によりますと、この商品は、トクホとして、「血圧が高めの人に適している」という内容に限って健康を保つのにどのような効果があるのか表示を行う許可を得ていますが、ライオンは、去年9月から11月にかけて新聞広告で、「驚きの血圧低下作用」や「薬に頼らずに食生活で血圧の対策をしたい」などと表示したということです。
これについて、消費者庁は、あたかもこの商品そのものに血圧を下げる効果があり、薬による治療を行わなくても高血圧が改善するかのような、著しく効果を誤認させる違法な表示だとして、1日、ライオンに対して、再発防止策を求める勧告を行いました。トクホの食品表示を巡って、国が勧告を行うのは、これが初めてです。

ライオン「勧告を真摯に受け止める」

勧告を受けたことについて、ライオンは、「一般の消費者に誤った認識を引き起こす広告表示で、ご迷惑をおかけし心よりおわび申し上げます。勧告を真摯(しんし)に受け止め、広告を出す際の管理体制をより一層強化し、再発防止に努めます」とコメントしています。

トクホ 医薬品のような効果うたうと違法

トクホ=「特定保健用食品」は、からだの健康を保つ特定の効果があることを消費者庁の許可に基づいて表示できる食品です。「特定保健用食品」として許可を得られるのは、例えば、血圧を正常に保つことを助けるなど、食品の中に、からだの機能に影響を与えて健康を保つのに役立つ成分が含まれている場合で、メーカーが行った商品の実験データなどを基に、国が効果と安全性を審査します。
「特定保健用食品」として認められた食品は、「血圧が高めの人に適している」「おなかの調子を整える」「コレステロールの吸収を抑える」などと、それぞれの食品ごとに消費者庁が許可した範囲内で、健康を保つのにどのように役立つのか表示することができます。ふだんの食生活にうまく取り入れることで、健康の維持につなげてもらうのが目的で、病気の治療に用いられる医薬品とは全く異なります。
このため、例えば「血圧が下がる」など、病気や症状を改善する医薬品のような効果をうたうと違法になります。「特定保健用食品」の制度は、25年前の平成3年に始まり、これまでに1200余りの商品が表示の許可を受けています。トクホの市場調査を行っている業界団体の「日本健康・栄養食品協会」によりますと、昨年度のトクホの市場規模は、6100億円余りになっているということです。

関連ニュース

k10010427451000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ