絵に投資するか、株式に投資するか。それともマンションに投資するか。経済学者であるとともに毎年『韓国の絵画価格指数』という報告書を出している崔廷杓(チェ・ジョンピョ)建国大学教授は、絵画市場の専門家だ。以下は、崔教授の分析。「米国における、1950年から2000年までの絵画の年平均実質収益率は8.2%、株式投資の収益率は8.9%、社債の収益率は2.2%だった。絵画市場の歴史が短い韓国の場合、07年までの10年間で株価指数は4.2倍、絵画価格指数は7.4倍、江南のマンション価格は3倍になった」。絵画が投資の主な手段になっていることは明らかだ。
絵画は風水の中心理論たる「同気感応」を誘発する良い媒体と考えられる。同気感応とは、同じ気運が互いに感じ合い、その結果として反応を見せることを指す。
風水と山水画は、どちらも山と水を共通の対象にしているが、もともとその起源は一緒だ。このため、風水が絵画を同気感応の手段と見なす歴史は非常に長い。かつて中国の宗炳(375-443)は、よくできた山水画は見る者の目と心を画家のそれと感応させる、と語った。良い絵は人間を救うが、悪い絵は不幸をもたらしかねない、ということだ。
これに関して、ビンセント・ファン・ゴッホの諸作品は、風水的に見るべき良い事例といえる。ファン・ゴッホも、絵画と人間の間に一種の同気感応関係があると考えた。「1枚の絵を見て興味を抱くとき、私はいつも、自分でも知らないうちにこうした問いを投げ掛ける。この絵を飾って効果があり、適当な場所は、どの家、どの部屋のどの場所だろうか。また、どういう人の家庭だろうか」