堀込泰三 - 健康,病気,食生活 09:00 PM
食物または環境アレルギーと付き合う10のヒント
アレルギーはある意味、毎日の拷問です。くしゃみや喘鳴などの症状は、地獄のように感じられることも。食物アレルギーや環境アレルギーの治療はできなくても、反応をできるだけ少なくする方法があります。以下に、そのトップ10を紹介しましょう。
第10位:風邪? アレルギー?
風邪かアレルギーか。その違いを見極めるのは容易ではありません。でも、正しい治療をするためには、症状を把握する必要があります。目や喉のかゆみはアレルギーの可能性が高いです。また、鼻水の状態でもアレルギーか風邪かを判断することができます。その判断さえつけば、どちらの薬を飲むべきかがわかります。
第9位:アレルギー症状の緩和をうたう商品に要注意
喘鳴、かゆみ、発疹、アレルギー症状、鼻水などなどのアレルギー症状がひどくなると、何をしてでも取り除きたいと思うでしょう。でも、残念ながら、「低アレルギー性」という言葉は、私たちの考えている意味とは違うことがあります。きちんと定義されていない言葉なので、企業によってその意味は様々なのです。地元のはちみつを買っても、アレルギー対策になったり花粉への耐性がついたりすることはありません。おそらく、風で運ばれてきたその他の花粉にさらされるだけでしょう。アレルゲンフリーと書かれた商品でも、きちんと内容物を確認する必要があります。
第8位:旅行中のアレルギー管理
家にいるときは、たとえば食べに行かないレストランを決めるなど、アレルギーをコントロールする習慣を構築できます。しかし、旅行となると話は別です。飛行機に乗り込む前に、航空会社の食物アレルギーポリシーを熟読しましょう(あるいは自分で食べ物を持参します)。アレルギーに優しい宿を選び、必要な薬を忘れないこと。旅先での食物アレルギー対策については、こちらの記事(英語)を参考にしてください。
第7位:季節性のアレルギーに打ち勝つ日々の習慣を
春先の花粉症や冬場に室内で過ごすことによるカビやイエダニのアレルギーなど、季節の変化で起こるアレルギーの場合、季節に合わせて自分が変わりましょう! 基本的に、アレルゲンのピーク期に、できるだけそれらにさらされないようにすること、環境からできるだけ排除することが大切です。たとえば、秋の外出は午前10時以降にするとか、家にアレルゲンを持ち込まないよう、帰宅時に服と靴を変えるなどの方法があります。他にも、夜のリラックスタイムにホコリが落ち着くように朝早くにホコリ払いをする、身体に付着した花粉を夜中に吸わないように帰宅後にシャワーを浴びるなどなど。
第6位:掃除や洗濯方法をアップグレードする
アレルギーのきっかけになるのは、日々触れるものがほとんど。つまり、服やシーツなど、毎日触れるものをきれいに保つことが効果的です。洗剤残りを減らすために洗濯機に重層または酢を入れる、ベッドカバーと枕カバーをダニ対策品に変える、寝室にペットを入れない、カーペットをフローリングに変えるなど、可能な範囲で対策をしましょう。
第5位:アレルギー情報アプリを使う
食物アレルギーを持っている人なら、自分が食べてはいけない食べ物をおおむね知っていると思います。でも、物によってはあなたのアレルゲンが材料に隠れていることも。そこで、「Allergy Assassin」の出番です。料理にあなたのアレルギー食材が含まれている可能性があるかどうかを判定してくれます(例えば、ラビオリ料理やミートボールには卵が入っていることが多いなど)。そのほかにも、食物アレルギーに優しいレストランや食料品を見つけるためのアプリがたくさん出ています。
第4位:食物アレルギーの代替品を知る
食物アレルギーがあっても、さまざまな食べ物を楽しむことができます。たとえば筆者の娘は、ピーナッツ、木の実、卵、大豆のアレルギーです。そこで我が家ではビーガンまたはナッツフリーのデザートを選ぶか、焼き菓子を作るときにはアップルソースやひよこ豆のゆで汁(アクアファバ)などの卵の代替食品を使うことにしています。厳しい食事制限のある人のための料理法や、代替品に関する一般的なガイドラインは過去の記事(英語)を参考にしてください。「史上最高に難しいディナーゲスト」に料理を提供することになったら、こちらのレシピ(英語)を参考にどうぞ。
第3位:隠れたアレルゲンに注意
アレルギー反応が起きたのに原因がわからないときは最悪です。市販のデオドラントの内容物にアレルギーがあったのかもしれませんし(その場合は自作しましょう)、残念なことにワインやビールの製造工程で使われる材料にアレルギーがあったのかもしれません。謎の偏頭痛がするなら、食生活に注意です。食品ラベルには必ず目を通しましょう。米国食品医薬品局(FDA)は、8大食物アレルゲン(牛乳、卵、魚、甲殻類、木の実、ピーナッツ、小麦、大豆)の表示を義務付けていますが、その他の食品にアレルギーがある人もいるでしょう。安全を確保するために、ファストフードでオーダーするときには原材料リストをよく読み、レストランで食べるときにはウェイターに確認しましょう。牛乳アレルギーの人は、カゼインや乳清、あるいは人工のバター風味が入っている食品も避けたほうが無難です。
第2位:アレルギーカードを持ち歩く
アレルギーを伝えるのに一番かんたんな方法が、絵で見せること。アレルギーカードは、旅行中はもちろん、地元での外食時にも便利です。自分で作るか、各国語版が作れる「Allerglobal」のようなサイトを利用しましょう。子どものアレルギーの場合、先生や世話役の人に警告するための腕輪やステッカーもオススメです。
第1位:自分のアレルゲンを知る
何よりも大切なことは、自分が何にアレルギーがあるのかを知ることです。さもないと、対処のしようがなく、いつまでも苦しまなければなりません。除去食は、原因を特定するのに役立ちます。赤ちゃんに新しいものを食べさせる場合は、「4日間待機ルール」(新しい食材を導入するのは4日間で1つだけ)を採用してください。日記をつけて、アレルギーの原因が食べ物なのか環境なのかを判断できるようにしましょう。症状が本当にひどいときは、アレルギー専門医に検査をしてもらってください。治療は不要かもしれませんが、アレルギーを持ちながらより良く生きるためのアドバイスをくれるでしょう。
Melanie Pinola(原文/訳:堀込泰三)
Illustration by Nick Criscuolo. Photos by Lain Watson, ParentingPatch., Melody, Tina Mailhot-Roberge, Dan4th, ayelet-keshet (Shutterstock) and moonkin (Shutterstock).
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