新入社員向けの基本的なビジネスマナーシリーズ、第五回目は、ビジネスにおける「席順」についてです。
基本
まず、
出入り口から遠いほうが上座
ということを覚えておきましょう。
室内のみならず、車やエレベーターなどにも当てはまります。
ですから、「これだけを覚えておけば、万事OK!」と言いたいのですが・・・、レアケースとして「上座が遠いほうではない」場合もあります。
その際の対処も記しますので、これらを覚えておいたうえで、一言掛けたり、場合によっては判断を委ねることをおすすめします。
応接室
長椅子(ソファー)が来客用となります。
一見、一人がけで肘掛が付いているほうが、「上席」との印象をもってしまうのですが、長椅子のほうがゆったりと座れるとの意味合いから、来客用とされています。
下の図では、A・Bの位置ですね。
(Aが上位者となります。3人の場合は、役職順に奥から詰めるのが一般的です)
このように、原則である「出入り口から遠いほう」に長椅子が置かれているのが一般的です。
稀に、出入り口に近い場所に長椅子が配置されている場合もあります。
やはり、長椅子が来客者用=上座となりますが、これは、絵や置物、あるいは、窓の外の風景が一番良く見える位置といった理由があるのですね。
そのような場所に訪問した際は、「良い絵ですね」とか、「きれいな景色ですね」などと話題にすると喜ばれることでしょう。
ただし、全く何もなければ、上座下座が分かっていない会社かもしれません・・・。
また、訪問者が4名以上の場合は、ソファーセットの応接室ではなく、長テーブルが配置された会議室などが使用される場合もあります。
その際は、最上位者がテーブルの真ん中に、以下、右・左と順番に座るのが一般的です。
会議
会議室のテーブルの形式(長方形型、コの字型、スクール形式・・・)に関わらず、
「主催者が一番奥の真ん中」に座り、来た順番に奥から詰めていく
のが基本となります。
ですが、座席指定されている場合もありますし、いわゆる「御前会議」などでは、公然と、あるいは、暗黙のうちに座る場所が決まっている場合もあります。
さらに、新入社員など役職が下位の者は、テーブル椅子が余っていても、そこにはつかずに、壁際の椅子に座る場合も。
会社によってルールが異なりますので、勝手に座らず、先輩に確認したほうが無難です。
タクシーの席順
基本的には、下図の席順となり、支払いは「4」の人が行います。
3人で乗る場合は、「3」を空けます。
2人で乗る場合は、「1」と「2」を使うのですが、一緒になる人が、お取引き先や自社の「部長」など偉い人の場合は、「1」と「4」の場合もあります。
その際は、「私は助手席に乗らせていただきますので、ごゆっくりしてください」と声をかけます。
もちろん、「君も後ろに座りなさい」と言われれば、「2」の席に座ってください。
また、年配者や長いスカートをはいた女性は、「1」に座るのを面倒がる人もいますので、「私が奥に座りましょうか?」と声掛けするのも大切ですね。
<オーナードライバーの場合>
社員のみで、社有車で移動する場合、エライ人でも助手席に座りたがる人がいますので、確認したほうが良いでしょう。
また、取引先のエライ人が運転する場合は、最上位者が助手席に座るのがマナーとされています。
なお、電車やエレベーターの中でも、「一番奥が上座」となります。
ただし、新幹線のような3人掛けの場合は、タクシーの後部座席と同じく、真ん中に下位者が座ります。
宴席
宴席も基本は同じ、「出入り口から遠いほうが上座」となります。
ここで、悩ましいのが、和室で床の間がある場合。
基本的には床の間があるほうが上座となるのですが・・・。
通常、床の間は左側(本床)にあり、上図の「A」と「B」は分かりやすいのですが、問題は「C」ですね。
これは、「逆床」と言って右側にある場合です。
また、本床であっても、出入り口に近いほう(出入り口が左側)に設置されている場合もあります。
基本ルールから言えば、並びは「C」図のようになるのですが、座り心地が良くない場合もありますので、「どちらが上座ですか?」と店の人に聞くと良いでしょう。
まとめ
席順は、学生時代は、さほど意識しなくても良かったかと思います。これは、ほとんどがフラットな関係であったからでしょう。
一方、会社に入ると、いわゆる「序列」があり、これに基づいて、席順もルール化されているのです。
ただ、必ずしも厳密に運用されていませんし、社内であれば独自ルールも多々あると思います。
基本は基本として知っておいたうえで、先輩に確認するようにしてください。
それでは、また、次回!