安倍晋三シンパの東京新聞長谷川幸洋氏が次のような記事を書いています。以下引用します。
2015年10〜12月期の国内総生産(GDP)が年率換算でマイナス1.4%になった。一方で、昨年は「正社員の増加数が非正規の増加数を上回った」という明るいニュースもある。景気はこれからどうなるのか、そして安倍晋三政権はどうするのか。
まず、先に発表されたGDPの数字を確認しよう。
10〜12月期のGDP速報値(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf)で注目されたのは個人消費の弱さだった。なぜかといえば、個人消費が増えていると、家計が先行きに安心感が抱いている証拠になる。だから先行きも明るいとみていい。しかし逆に弱いと、家計が将来に不安を抱いているのだから、先行きも暗いという話になる。
よく個人消費の強さ、弱さを天気のせいにする解説がある。役所もそう説明するから、もっともらしく聞こえるが、それが本当なら天気予報を見ていれば、景気の先行きも分かるという話になりかねない。天気予報士の景気見通しが当たるのか。ビールの売り上げには関係あるかもしれないが、私は天気と消費、マクロ景気の相関関係をあまり信用していない。
軽いジャブとして、まずツッコミどころは個人消費の弱さを天候のせいにしたのは石原伸晃経産相ですから、そっちへ文句言え、と指摘しておきますわ。
ゆーだけだったら風呂屋の桶だよ。 / “石原経財相、個人消費「記録的な暖冬影響」 景気の先行きは緩やかに回復と説明 :日本経済新聞” https://t.co/nKYQnvyGNY #あほか
— へんせいふう (@henseifuride) 2016, 2月 15
そんなことよりも、この人の印象操作が酷いと思われるのが雇用労働調査の次の部分。
そこで非正規雇用をみてみよう。野党はとかく「非正規=かわいそうな労働者」というイメージで非正規労働を論じるが、非正規雇用者2015万人のうち、7割の1414万人はパートやアルバイトである。
よく問題になる派遣社員は133万人にとどまっている。非正規全体の5%強だ(15年10〜12月期労働力調査、http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/2015_4.pdf)。
しかも、2015万人の非正規のうち「自分の都合のよい時間に働きたいから」という人が26%、「正規の職員・従業員の仕事がないから」という人が15.9%である。非正規の労働条件改善はもちろん重要だが、ここは事実として抑えておくべきだ。15.9%の部分をどうするか、が課題の焦点になる。
2月16日に発表された15年暦年の労働力調査(http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/youyaku.pdf)によれば、役員を除く雇用者は5284万人で前年に比べ44万人増えた。安倍晋三政権が誕生した12年は5154万人だったから、130万人の増加である。
「3年間で130万人の雇用増加」という結果をみれば、これだけでアベノミクスの成功を物語っていると言っていい。経済政策のもっとも重要な目的は雇用の確保である。
胸を張って130万人増えたと、ドヤ顔で書いているけれど。
【editor 月刊誌「KOKKO」編集者・井上伸のブログ】さんからグラフをお借りしました。確かに総合計では130万人増加しているが正規非正規別に分けると下記のようなグラフになります。
このように、雇用統計の内訳上は正規雇用が27万人減って、非正規雇用が167万人増えてる事になっているのだけど。
上記の雇用統計から私もグラフを作成した。グラフの中で「自己都合」という系列は【自分の都合のよい時間に働きたい】というもので、女性が男性の141万人の倍以上、353万人が「自分の都合のよい時間に働きたい」と非正規を選んだ理由を述べている。
(上のグラフの単位は万 下のグラフの縦軸は%)
長谷川氏は非正規雇用者数は男女合計の2015万人という数字を取り上げて都合のいい時間に働きたい、というひとが26%もいるんですぜ、自分勝手だねえ、と言いたいようです。
これはどういうことかと言うと、つまり女性の非正規雇用はパートが圧倒的に多いわけです。そして当然兼業主婦が多く含まれる。となると自分の都合のよい時間に働きたい、となるのは当たり前の話ではないのか。
主な働き手である男性は、『正規の仕事が無いから』と言う理由が25%近くの人です。
それをごちゃ混ぜにして、みんな勝手な理由で非正規を選んでる、だからそれは自己責任でしょ、なんて言いたいわけでしょうね。
そして『ここは事実として抑えておくべきだ』などと、底冷えのするような嫌らしい言い方をするのです。
ようするに、男性の非正規雇用者数641万人と女性の1374万人という、分母が二倍近くあるような数字で論じるのは如何なものか、と私は思いますがね。
結論として。
やっぱり、またハセガワか、と言わざるを得ない訳です。
統計の女非正規1374万人、男641万人、その合計を引用するのが印象操作。男女別だと男、正規の仕事がない26.1%女11.3%だぜ。女性は兼業主婦パートも多く含まれのに。これだからなハセガワは。 / “アベノミ…” https://t.co/1ql2m770Ag #またハセガワか
— へんせいふう (@henseifuride) 2016, 2月 19