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中国、過去にも西沙諸島にミサイル配備 米国防総省が指摘

2016/2/20 11:02
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 【ワシントン=川合智之】米国防総省のクック報道官は19日の記者会見で、中国が南シナ海の西沙(パラセル)諸島の永興(ウッディー)島に、過去にも演習のため地対空ミサイルを配備していたことを明らかにした。スウィフト太平洋艦隊司令官によると、今回の配備が少なくとも3度目になるという。

中国が実効支配する西沙諸島の永興島(2015年10月)=共同

 クック氏は「過去にも西沙諸島で中国が同種の装備に関連した訓練を実施したことを確認している」と指摘。「中国の行動で既に緊張が高まっていた地域情勢が、さらに不安定になるだけだ」と改めて懸念を表明した。

 米メディアによれば、スウィフト氏は18日のカリフォルニア州での講演で、中国が過去に少なくとも2回、演習のために同島にミサイルを配備していたと述べた。演習では無人機の撃墜訓練を実施したという。同氏は今回の配備について「恒久配備かどうかが真の問題だ」と懸念を示した。

 今回の配備は、中国が実効支配する永興島周辺を撮影した2月14日の民間衛星写真にミサイルが写っていたことで表面化した。ミサイルは中国の防空システム「HQ―9」とみられ、射程は約200キロメートル。国防総省当局者は「南シナ海の土地造成、建設、軍事化を中止するよう中国に要請する」と述べた。

 中国は南シナ海で埋め立てた人工島に3本の滑走路を建設し、軍事化を進めている。米政府は人工島の12カイリ(22キロメートル)以内にイージス駆逐艦を派遣する「航行の自由」作戦で中国をけん制するが、中国は反発している。

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