【寄稿】韓国企業、インドで「Kフード」ブームを起こせ

【寄稿】韓国企業、インドで「Kフード」ブームを起こせ

 先ごろ朝鮮日報などが主催した「韓国・インドビジネスサミット」を機に、インドに対する韓国財界の関心が一段と高まっている。インドは核技術と宇宙船搭載ロケットを打ち上げるレベルの科学技術を備え、13億人ほどの消費者、中国に次ぐ潜在的経済規模を持っており、韓国が特に関心を払うべき国であることに間違いない。すでにIT(情報技術)や自動車産業などで交流しているが、協力を新たな分野にまで広げていく必要がある。進出が見込める分野の一つが、食品だ。韓国の食品は「Kフード」として世界で知られるようになっており、特に競争力を備えた発酵食品のインド進出は有望だ。

 現在、世界の食卓には5000種類余りの発酵食品が上っている。インド人は発酵食品になじみが深く、日常的に食べるものだけでも500種類余りに達するという。特に、コメを主食としているため、韓国の数多くの発酵食品も抵抗なく受け入れられる可能性が高い。キムチや醤類(みそやしょうゆなど)だけでなく、製菓・製パン、ひいては調味料などの市場参入も難しくないだろう。世界の食品市場規模は6兆ドル(約707兆円)近くに達し、そのうち34%をアジア・オセアニアが占める。急成長するインドの食品市場は、豊富な製造技術とマーケティング経験を持つ韓国企業にとって十分挑戦する価値がある。

 朝鮮日報の1月22日付コラムで指摘したように、インドはインフラ設備などいくつかの問題を抱えているものの、発展スピードや最高指導者の意欲、社会環境の変化のスピードなどから見て、この先一段とスピーディな発展が予想される。これをチャンスと捉え、飽和状態の韓国食品産業の向かう先としてインドを選んでほしい。完成品の輸出も必要だが、安くて豊富な食材と人材を活用して現地で加工工場を運営し、生産品をインドや第三国で販売するのもよいだろう。もちろん、ビジネスとして成功するには現地人の食習慣や市場規模、宗教的特徴を綿密に調査し、マーケティング戦略を練る必要がある。韓国企業はそのノウハウを十分備えている。

 微生物が作り出す発酵食品は、競争力のあるクリエイティブな産業を生む余地が大きい。食品そのものにも価値があるが、発酵によって得られるアミノ酸や酵素を用いた医薬品や機能性食品、さらには化粧品にまで、ビジネスの領域を広げることができる。また、食品は韓国の食文化を伝え、国のステータスを高める上でも非常に効果的な媒体となる。

シン・ドンファ全北大名誉教授
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