「ただの工房ではない」--富士通ら、アジア初のDIY工房「TechShop Tokyo」開設
2016/02/20 08:00
テックショップジャパンと富士通は2月18日、会員制オープンアクセス型DIY工房「TechShop Tokyo」をプレオープンした。4月1日にグランドオープンを予定している。準備段階の機械も一部あるが、すべて設置されており稼働する状態だ。当日はオープニング・セレモニーを開催し、関係者により、火花を散らしてテープカットが行われた。
TechShop Tokyoのオープンを記念したテープカット。TechShopでは金属のテープをカッターで派手に切断する。全員、ゴーグルとグローブを着用。なお、この金属テープもTechShop Tokyoの機材で作られたもの
TechShop Tokyoは、アジアで最初のTechShopだ。東京都港区赤坂のアークヒルズ3階にあり、広さは1500平方メートルで、ワークスペースの天井高は最高8mとなっている。ワークスペースの壁はガラス張りでアークヒルズのカラヤン広場に面しており、非常に開放的な空間となっている。
用意される工作機器は、金属加工、溶接、木工、3Dプリンタなどの樹脂加工、電気工作、テキスタイル、カラーリングなどにわたり、多数の機材を揃えた。工作機器はコンピュータで制御するものも多く、富士通製のワークステーションと3D CADソフトも備え付けられている。
天井が高く広々としたワークスペース
利用には登録が必要。法人、個人、学生、会員の家族などに料金が分かれており、例えば個人会員は工作機器が利用できるプランで月間1万8500円。一日利用は4500円。年間利用は19万8000円。このほか入会手数料の3000円や、工作機器を利用するにあたっての基礎トレーニング受講料がかかる。法人は5人契約で年間110万円から。
プレオープン限定キャンペーンとして3月末までに月間利用で契約すると入会手数料が無料となる。
オープニング・セレモニーでは、テックショップジャパン 代表取締役社長の有坂庄一氏があいさつに立ち、「企業、ベンジャー、クリエイター、学生、趣味の人、いろんな人が集まってコミュニティを作り、アイデアを形にしていくところが、ただの工房ではない。いろいろな人が集まり、アイデアを共有したり、技術を持ってる人がない人を手伝ったり、投資家と出会ったり──そういった交流が日常で行われているコミュニティ」と説明した。すでに100個以上新しいビジネスが生まれ、TechShopで生まれた製品を紹介した。
また、来日したTechShopのCEO、Mark Hatch氏は「ただ最新鋭の機器がそろっている場所でなく、集まることでコミュニティ作られる。集まって会員同士のコミュニケーションをとっていただく場所になっている」とコミュニティの場所であることを強調し、個人だけでなくパートナー企業と連携し、企業の従業員のクリエイティビティを高めることもしていると説明した。
ワークスペース
TechShop Tokyoの入り口。アークヒルズの3階になる
受付のデスクも実際にTechShop Tokyoの機材で作られたものだという
TechShop Tokyoの位置は、アークヒルズのカラヤン広場から見えるガラス張りの部分すべて
テックショップジャパン 代表取締役社長の有坂庄一氏とTechShop, Inc.のCEO、Mark Hatch氏
オープニング・セレモニーに登場した、左から森ビル 副社長執行役員の北林幹生氏、富士通 代表取締役社長の田中達也氏、TechShop, Inc.のCEO、Mark Hatch氏、テックショップジャパン 代表取締役社長の有坂庄一氏、経済産業省 製造産業局長の糟谷敏秀氏、文部科学省 大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)の岸本康夫氏