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「薔薇の名前」の著者 ウンベルト・エーコさん死去
2月20日 17時01分

イタリアを代表する哲学者で、小説「薔薇の名前」などの著者としても知られるウンベルト・エーコさんが19日、がんのために亡くなりました。84歳でした。
1932年にイタリア北西部のピエモンテ州に生まれたウンベルト・エーコさんは、大学で中世哲学や美学を学び、テレビ局や出版社で働いたあと、大学で教授となり哲学者として知られるようになりました。そして、1980年に14世紀のイタリアの修道院で起きた連続殺人事件を描いた小説、「薔薇の名前」を発表しました。
この作品は、キリスト教の論争なども絡めたミステリーで、哲学的な要素のある小説だとして高い評価を受け、日本を含む数十か国で翻訳されて100万冊以上を売り上げる世界的なベストセラーとなったほか、俳優のショーン・コネリーさんが主演して映画化もされました。
エーコさんは、このほか「フーコーの振り子」や「記号論」などの小説や哲学書を数多く出版し、ノーベル文学賞の候補者として名前が上がることがありました。
エーコさんはがんで闘病中でしたが19日夜、イタリア北部にある自宅で亡くなりました。エーコさんが死亡したことについて、イタリアのレンツィ首相は地元のメディアに、「彼は歴史を理解する力と未来を予見する力を併せ持った、ヨーロッパの知性を体現する特別な存在だった」と述べるなど、各地でその死を惜しむ声が寄せられています。

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