田代まさしが激白 清原逮捕時「ストロー発見」の意味とは
清原和博(48)の覚醒剤事件でNHKのニュース番組にも出演するなど一躍、脚光を浴びたのが田代まさし(59)。“経験者”としてクスリの怖さを知り尽くす田代は現在、薬物依存症リハビリ施設「日本ダルク」のスタッフとして働いている。清原逮捕のニュースに何を思うのか。改めて話を聞いた。
◇ ◇ ◇
僕がいつも言っているのは「まだ回復途中なので、他人のことを言える立場じゃない」ということ。清原くんの事件でテレビの取材を受けたら、ダルクに「調子こいてんじゃねえ」というクレームの電話がかかってきました。でも、自分の経験が誰かの役に立てればという思いがあるし、最近は使命かなと思うようになってきました。ほとんどの人たちは薬物依存を認めたがらない。みんなその過去を消したがる。だから回復できないんです。薬物の怖さとか立ち直るためにしてきたことを伝えるのは、薬物の研究をしている偉い先生たちより僕の方が適しているはず。
清原くんが逮捕された時、注射とガラスのパイプと一緒に、何でストローがあったか分かる? あれは、覚醒剤のパックに口を斜めに切ったストローを突っ込んで、すくって出すとちょうど1回分の使用量になるから。それを注射器の中に入れて打つんです。これは使ったことのある人じゃないと分からない。ニュースで部屋にストローがあるのを見て、相当(キャリアが)長いな……と思ったね。でも、人によって症状はそれぞれ。ネタの純度によっても違う。ヤクザの親分連中は純度の高い、質が良いモノをやっているから、あまり依存しない人が多いとも聞く。不純物が少ないから体に良い……矛盾でしょ。でも、不純物が多い方がガツンと効いていいと言う人もいます。
■「強い自分を演じることに疲れていたんじゃ…」
清原くんも僕も「夢を背負う仕事」をしていたという点では似ています。僕は期待されるイメージをずっと演じ続けないといけないというプレッシャーに負けて手を出したから、彼も強い自分を演じることに疲れていたんじゃないかと思います。
育った環境によっても薬物にハマる危険度は全然違う。特に僕は新宿にある不良だらけの中学校出身で、周りは当たり前のようにたばこやシンナーを吸っている環境だったから、そういうものは青春の一過性としてとらえていました。よく「マーシー、初心に帰ってやり直そうよ」と言われるけど、僕の場合、初心に帰ったらシンナー吸っちゃうけど? ってね(笑い)。だから、覚醒剤もそんなに罪の意識がなかったし、シンナーのように覚醒剤もすぐやめられると思っていました。清原くんも、岸和田でやんちゃな青春時代を過ごしていたから、最初はそこまで深刻に考えていなかったのかもしれません。
テレビであれだけ報道されると、今まで薬物に興味がなかった人も「清原がやめられないほど良いモノなのか」と興味を持っちゃう。よく“経験者”が「違法薬物事件のニュースを見ると、またやりたくなる」と言うけど、コレは本当。僕は講演でもよく「『駐車お断り』って看板見ただけで反応したり、ヤクルト配ってるオバサンを『ヤク』の売人だと思ったり。去年、健康診断で採血の針を見てドキドキしてたら、看護師が下手くそで何度も失敗するから『オレが代わりにしましょうか』って言ったんです」とか話すんですけど、今もやりたい願望が首をもたげる時はある。だから“明日は我が身”なんです。
清原くんに言いたいのは、やめられない、使いたいと言えるようになることが大事ということ。日本の法律って、最初は甘くて再犯ごとに刑が重くなる。それより、初犯の段階で施設や病院を斡旋することが法律で決められていたら、早い段階で回復する可能性も上がるはずなんです。「WHO(世界保健機関)」でも「依存症は病気」と言っていて、アメリカでは初犯から治療や施設の選択肢があるのに、日本は刑務所しかない。日本は排除するばかりでフォローアップしない社会。見守る人が必要なんです。
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僕がいつも言っているのは「まだ回復途中なので、他人のことを言える立場じゃない」ということ。清原くんの事件でテレビの取材を受けたら、ダルクに「調子こいてんじゃねえ」というクレームの電話がかかってきました。でも、自分の経験が誰かの役に立てればという思いがあるし、最近は使命かなと思うようになってきました。ほとんどの人たちは薬物依存を認めたがらない。みんなその過去を消したがる。だから回復できないんです。薬物の怖さとか立ち直るためにしてきたことを伝えるのは、薬物の研究をしている偉い先生たちより僕の方が適しているはず。
清原くんが逮捕された時、注射とガラスのパイプと一緒に、何でストローがあったか分かる? あれは、覚醒剤のパックに口を斜めに切ったストローを突っ込んで、すくって出すとちょうど1回分の使用量になるから。それを注射器の中に入れて打つんです。これは使ったことのある人じゃないと分からない。ニュースで部屋にストローがあるのを見て、相当(キャリアが)長いな……と思ったね。でも、人によって症状はそれぞれ。ネタの純度によっても違う。ヤクザの親分連中は純度の高い、質が良いモノをやっているから、あまり依存しない人が多いとも聞く。不純物が少ないから体に良い……矛盾でしょ。でも、不純物が多い方がガツンと効いていいと言う人もいます。
■「強い自分を演じることに疲れていたんじゃ…」
清原くんも僕も「夢を背負う仕事」をしていたという点では似ています。僕は期待されるイメージをずっと演じ続けないといけないというプレッシャーに負けて手を出したから、彼も強い自分を演じることに疲れていたんじゃないかと思います。
育った環境によっても薬物にハマる危険度は全然違う。特に僕は新宿にある不良だらけの中学校出身で、周りは当たり前のようにたばこやシンナーを吸っている環境だったから、そういうものは青春の一過性としてとらえていました。よく「マーシー、初心に帰ってやり直そうよ」と言われるけど、僕の場合、初心に帰ったらシンナー吸っちゃうけど? ってね(笑い)。だから、覚醒剤もそんなに罪の意識がなかったし、シンナーのように覚醒剤もすぐやめられると思っていました。清原くんも、岸和田でやんちゃな青春時代を過ごしていたから、最初はそこまで深刻に考えていなかったのかもしれません。
テレビであれだけ報道されると、今まで薬物に興味がなかった人も「清原がやめられないほど良いモノなのか」と興味を持っちゃう。よく“経験者”が「違法薬物事件のニュースを見ると、またやりたくなる」と言うけど、コレは本当。僕は講演でもよく「『駐車お断り』って看板見ただけで反応したり、ヤクルト配ってるオバサンを『ヤク』の売人だと思ったり。去年、健康診断で採血の針を見てドキドキしてたら、看護師が下手くそで何度も失敗するから『オレが代わりにしましょうか』って言ったんです」とか話すんですけど、今もやりたい願望が首をもたげる時はある。だから“明日は我が身”なんです。
清原くんに言いたいのは、やめられない、使いたいと言えるようになることが大事ということ。日本の法律って、最初は甘くて再犯ごとに刑が重くなる。それより、初犯の段階で施設や病院を斡旋することが法律で決められていたら、早い段階で回復する可能性も上がるはずなんです。「WHO(世界保健機関)」でも「依存症は病気」と言っていて、アメリカでは初犯から治療や施設の選択肢があるのに、日本は刑務所しかない。日本は排除するばかりでフォローアップしない社会。見守る人が必要なんです。