ソウル中央地裁民事204部(クォン・ヒョクチュン裁判官)は12日、軍隊で自殺したSさんの両親が「将兵の管理がずさんだったために息子が自殺した」とし、韓国政府を相手取り損害賠償を求めた訴訟で「政府は原告に対し4090万ウォン(約380万円)を支払うように」と命じる判決を下した。
Sさんは中学時代、中国に留学した後、環境の変化に適応できず、3回にわたって自殺を図ったことがある。その後学校を中退したSさんは、高卒検定考試(日本の高校卒業程度認定試験に相当)を通じ、2014年に韓国の大学に進学した。同年5月に陸軍に入隊したが、(新兵訓練を経て)部隊に配属されてから1カ月もたたずに首をつって自殺した。地裁は判決理由について「さまざまな検査の結果、Sさんは自殺する危険性が高いとされ、一体的な管理が必要だったにもかかわらず、部隊の指揮官がこれを怠ったものであり、国は賠償責任を負うべきだ」と説明した。だが「Sさんが自ら極端な選択をした点などを考慮し、国の責任を20%に制限した」と付け加えた。