桜井林太郎
2016年2月20日10時53分
有名な彫刻「考える人」の姿勢が、便秘に悩む人の助けとなるかもしれない――。そんな研究結果をまとめた高野病院(熊本市)の高野正太医師らによる論文が、海外の専門誌に発表された。高野さんは「前傾姿勢が排便によいと指導していたことが科学的に実証できた」と話している。
高野さんは2013年、当時勤務していた米国のクリニックで、洋式トイレで通常の座位では排便が難しい22~76歳の患者22人(うち女性17人)に、了解を得た上で、バリウムと小麦粉などで作った偽便による排便造影検査を実施。腕のひじが足のひざ付近について体が前に傾く「考える人」の姿勢のときに、排便の機能がどうなるかを調べた。
その結果、排便のしやすさの目安となる「直腸と肛門の角度」が平均で21度広がって134度になり、実際に半数の11人が「考える人」の姿勢で完全に偽便を排出できた。
高野さんによると、便秘は、①大腸の動きが遅く便がなかなか肛門付近までおりてこない②便がおりてきているが、うまく排出できない――の大まかに2タイプに分かれる。②のタイプは、「考える人」の姿勢の効果が出やすく、下剤に頼ると便秘がひどくなることがあるという。(桜井林太郎)
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朝日新聞社会部
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