X線天文衛星搭載し12日午後5時45分打ち上げ
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、新たなエックス線天文衛星「アストロH」を搭載したH2Aロケット30号機を、12日午後5時45分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。
日本のエックス線天文衛星は2005年以来の打ち上げで、昨年8月に運用終了した「すざく」に次ぎ6代目となる。アストロHは天体が出す微弱なエックス線を観測できる4台の望遠鏡などを搭載。エックス線の感度はすざくの最大約100倍で、巨大ブラックホールの生い立ちなど宇宙の謎の解明が期待されている。
今回からロケットの打ち上げ延期の判断基準を緩和。従来は飛行ルートに雷が起きやすい「氷結層」を含む雲が予想されると延期していたが、雲の中の氷の粒の密度が低いと確認できれば打ち上げを実施するという。【津島史人】