あすオープン お手伝いや勉強で無料に 福岡
満足な食事をとれていない子供に、温かい手作りの料理を提供する「ゆくはしこども食堂」が12日、福岡県行橋市中央のうどん店に開設される。子供の貧困が深刻化する中、市内の若手経営者らでつくる「行橋未来塾」が企画した。食材は農家や商店などから寄付を募り、調理スタッフはボランティア。子供を支える市民の輪が広がりつつある。【山本紀子】
「具だくさんでいいね」「お肉がふっくらしてる」。8日にあった試食会で、湯気のあがる膳を囲んだ人たちから声が上がった。
メニューはみそ汁とハンバーグ、ゆで野菜にポテトサラダ。調理スタッフの市内の主婦、浜砂俊美さんは未来塾メンバーのSMS(ショートメッセージサービス)で食堂の開設を知り、手伝いに来た。「おなかいっぱいご飯を食べてほしいです」。同じく厨房(ちゅうぼう)に立つ友人の村岡真紀子さんは「みんなで食べる幸せを味わってもらえれば」。ブロッコリーの茎もゆで、サラダに添えた。
食堂はJR行橋駅東口から徒歩6分の「麺や九兵衛」で毎月第2・第4金曜日の午後5時半〜8時、オープンする。未来塾の塾長で不動産業の江本満さん(45)は「きちんとした食事ができなかったり、親が忙しくて一人でご飯を食べたりしている子のことが気になっていた。うどん屋さんが場所を無償で貸してくれ、食材提供を約束してくれる人もいて、踏み切れた」と話す。
1食の料金は小学生100円、中学生200円、高校生は300円。幼児は無料となる。漢字や計算のプリントをこなすとポイントがもらえ、無料で食べられる。ポイントは料理の片付けや掃除の手伝いでももらえる。
開設を知った人から野菜や米が寄せられているほか「自分も母子家庭でつらかった」という人からジュースや菓子の支援の申し出もあった。
江本さんは「こども食堂の賛同者に情報提供して、新たな食堂が広がっていけば」と話す。協力者やボランティアは引き続き募集している。江本さんの連絡先は080・3510・0188。