「とても悔しくて死んでしまいたいような気持ちになった」
そりの性能テストのためオーストリアのインスブルックに滞在している韓国体育大のカン・グァンベ教授(43)=写真=は27日、本紙の電話取材に言葉を詰まらせながらそう語った。カン氏は韓国でそり競技のパイオニアとして知られる。2009年にバラエティー番組に出演して世間に名を知られるようになった。
だが14年、ボブスレー代表チームの選手兼監督だった08-10年に代表チームの運営資金を横領した疑いで「スポーツ4大悪」(八百長や暴力、組織の私有化など)合同捜査チームの捜査対象となり、一転して批判の的となった。母親名義のペンションを合宿所として使用し、ペンションの改装に後輩を強制的に動員したとの主張も提起された。カン氏はこの2年近く、警察と検察に何度も出頭して事情聴取を受けた。一部では、カン氏と大韓ボブスレー・スケルトン競技連盟の関係がこじれたことが捜査のきっかけになったとの憶測も流れた。警察は恐喝、強要、業務上横領などの容疑が認められるとして、昨年6月に起訴相当の意見を付けてカン氏を送検した。
だが検察は27日、カン氏を不起訴処分としたことを発表した。容疑のほとんどを根拠のないものと判断したのだ。連盟の支援金を私的に使った容疑については、起訴猶予処分とした。検察の関係者は「数年分のクレジットカード利用内容を確認した結果、選手のトレーニングや寝食のための利用が多くを占めた」とし、一定したトレーニング費の支援を受けられないなか、未熟な会計処理のせいで横領容疑がかけられたと説明した。