ただデルタ航空は日本にとって特別な存在であるのも事実です。同社の太平洋路線の前身である旧ノースウエスト航空は日本航空(JAL)が設立される前から日本に乗り入れており、発足当初、自力で航空機の運行ができなかったJALから委託運行を引き受けるなど、日本とは密接な関わりがあります。また日本を本格的なハブとして国際路線を展開する唯一の米系航空会社でもあります。
デルタ航空は、場合によっては、成田から撤退し、アジア地域のハブ空港を中国に移してしまう可能性も示唆しており、そうなった場合には、日本を拠点とする米系航空会社がいなくなってしまいます。こうした状況は、長期的に見ると、日本にとって得にならない可能性が高いでしょう。
このような混乱が発生してしまうそもそもの原因は、羽田から成田に、そしてまた羽田にと、場当たり的に拠点空港をコロコロと変えるという日本の戦略性のなさにありそうです。
(The Capital Tribune Japan)
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