朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は22日午前、外交・安全保障分野の新年業務報告の席で、北朝鮮の核問題解決に向けた6カ国協議の実効性を疑問視し「北朝鮮を除く5カ国協議」に言及したが、これは外交部(省に相当)と事前に調整せず発言したものであることが分かった。複数の出席者の話によると、朴大統領が5カ国協議に言及すると、外交部の関係者らは戸惑いを隠せなかったという。5カ国協議はかつて北朝鮮が2回目の核実験を行った直後の2009年に1度提示されたことはあるが、今回朴大統領が「6カ国協議無用論」と同時に言及することは、事前に誰にも知らされていなかったようだ。外交部の中では「今後(6カ国協議主席代表を務める)韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長を5カ国協議主席代表と呼ばねばならないのか」といった声も聞かれた。
朴大統領が5カ国協議に言及したことへの波紋が広がると、大統領府の関係者は「北朝鮮の核問題に対するいらだちを大統領が表現したものにすぎない」と火消しに乗り出した。要するに5カ国協議そのものの開催を進めるよう指示したわけではないということだ。しかしこの日午後、外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は「今こそ5カ国協議を稼働させる絶好の機会だ」と発言し、5カ国協議開催に向けて動き出す意向を明確にした。
朴大統領が突然「6カ国協議無用論」に言及し、同時に「5カ国協議」を提案したことで、韓国政府と周辺国との連携もすでにギクシャクし始めている。発言からわずか数時間後、中国外務省の洪磊・報道官は「早い時期に6カ国協議が再開されることを希望する」と述べ、5カ国協議に真っ向から反対した。この発言が報じられると、韓国大統領府はその日の夜に緊急のプレスリリースを配布し「(5カ国協議は)6カ国協議の枠内で5カ国の協力を強化するという意味だ」と弁明した。また駐韓米国大使館の報道官は23日に声明を発表し、その中で「米国は5カ国協議に向けた朴大統領の要請を支持する」との意向を明確にした。しかしこの声明については「韓国の大統領による『重大な提案』について、ホワイトハウスや国務省ではなく、米国大使館の報道官が先にコメントしたのは、両国間で調整が行われていないことを示す証拠だ」との指摘も相次いでいる。
5カ国協議を含む国際社会による北朝鮮への制裁については、今月27日に予定されている米国のケリー国務長官の訪中でその方向性がある程度見えてきそうだ。尹炳世長官はこの日、ケリー国務長官と20分以上にわたり電話で会談し、北朝鮮の核実験に対する対応策について意見を交換した。