【ソウル聯合ニュース】韓国外交部と国防部、統一部は22日、青瓦台(大統領府)で朴槿恵(パク・クネ)大統領に対し2016年の外交・安保・統一分野の業務報告を行った。北朝鮮の4回目核実験が厳重な危機状況を招いているなか、韓国は国際社会とともに北朝鮮に強力な圧力をかけながら北朝鮮核問題の解決に最優先で取り組む構えだ。
昨年の業務報告は統一への備えに重きが置かれたが、今年は北朝鮮の4回目核実験を受け、北朝鮮核問題と北朝鮮問題が最優先課題に挙げられた。
この日の合同業務報告は強固な外交安保、着実な統一準備をテーマに、▼北朝鮮の挑発に対する全方位かつ総力を挙げての対応▼北朝鮮核・北朝鮮問題に対する総体的なアプローチ▼外交安保の環境変化の能動的、戦略的な活用▼国民、国際社会とともに正しい統一準備の持続――などを重点的に推進するとした。
外交部は北朝鮮核問題の解決を今年の最優先課題に据えた。北朝鮮の非核化、さらには戦略的な駆け引きを変えさせるための圧力による外交など、北朝鮮・北朝鮮核問題に「総体的なアプローチ」で対応する。また、国連安全保障理事会で話し合われている北朝鮮への追加制裁については「これまでで最も強力な決議案」を推進し、韓米日、韓米中、韓日中の3カ国間協議の枠組みを活性化させ、中国とロシアの建設的な役割を誘導する方針だ。
また、能動的な北東アジア外交を通じ朝鮮半島の平和を固め、北東アジア平和協力構想とユーラシア・イニシアチブ(欧州とアジアの各国間経済協力を強化して南北統一の基盤づくりを目指す構想)を充実させて平和統一外交と統一支援に向けた国際インフラの強化を推進する。
統一部は「新たな朝鮮半島」を目指し、南北関係を構築しなおす。今年の統一政策の推進目標として、正しい南北関係の定めと実質的な統一準備を掲げた。統一部は「新たな朝鮮半島」を、「南北の住民すべてが核と戦争の恐怖から逃れ、平和と繁栄、自由と人権を享受する新しい朝鮮半島」と説明した。
朝鮮半島信頼プロセス(対話と協力により信頼を構築していく政策)に基づき対話の扉は開いておきながらも、非核化への圧力と原則ある対話を通じ北朝鮮の変化と正しい南北関係を導き出すという構想とみられる。
統一部はまた、朝鮮戦争などにより生き別れになった離散家族など人道的な問題の持続的な解決と、民族の同質性の回復を促す南北協力なども重点推進課題に定めた。
国防部は全方位の国防態勢を確立することで、北朝鮮のさらなる核挑発や局地的な挑発など多様な脅威に備えていく。戦力の増強や防衛事業の革新など未来志向的な防衛力強化、将兵の福祉・服務環境の改善などを柱とする先進的な国防環境づくりに向けた努力も強化することにした。
この業務報告では、北朝鮮の核・ミサイル脅威への対抗策に挙げられる米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備問題や、昨年末に韓日が合意した旧日本軍慰安婦問題は取り上げられなかった。