中国外務省の洪磊・報道官は21日「米国務省のトニー・ブリンケン副長官が20-21日の2日間の日程で中国を訪れ、張業遂・外務省常務副部長と米中戦略安全対話に向けた事前の協議を行った」「双方は米中関係および両国共通の関心事である戦略安全、総合安全などの問題について意見を交換した」などと明らかにした。「共通の関心事である安全問題」とは北朝鮮の核問題を意味するとみられる。しかし協議の具体的な内容に関しては「関係する情報は迅速に提供する」と述べるにとどめた。
ブリンケン副長官は協議が始まる前のあいさつで「相互理解と戦略的信頼関係は、われわれの立場の違いや競争の領域を取り扱うに当たって非常に重要なことだ」「われわれはそのような話し合いをする中で実質的な進展を実現できる。この点を米国民と世界に証明する具体的な行動に取り掛かる必要がある」などと述べた。
ブリンケン副長官は前日の20日、訪問先の韓国で「中国は北朝鮮との特殊な関係を基盤に(核問題で)リーダーシップを発揮するよう期待する」と発言した。しかしブリンケン副長官はこの日、北朝鮮への制裁について中国と内容のある話し合いはできなかったようだ。中国で外交政策に責任を持つ楊潔チ国務委員と王毅・外相は、いずれも習近平・国家主席の中東訪問に随行し、この日北京にいなかったからだ。
北京のある外交筋は「ブリンケン副長官は中国に対し、北朝鮮への原油供給の制限や貿易などの制裁を要請したのではないか」との見方を示した。現在、中国は国連安保理による制裁に加わる意向を示してはいるが、北朝鮮を崩壊させかねない厳しい制裁には反対している。