ソウル高裁刑事12部(イ・ウォンヒョン裁判長)は21日、娘の担任教諭から5億ウォン(約4900万円)余りを詐取した罪で起訴されたA被告(43)=女性=に対し、懲役1年6カ月の実刑判決を言い渡したと明らかにした。
A被告は2014年3月、娘の担任教諭に「夫がサムスン電子の部長、夫の知人が起亜自動車の専務で、家電製品や車を安く買えるため、これを転売すれば多額の差益を得られる」と持ち掛け、翌年11月にかけ89回にわたり教諭から計5億5700万ウォン(約5450万円)を受け取った。教諭を信じ込ませるため、販売価格が630万-900万ウォン(約62万-88万円)ほどの車2台を1179万ウォン(約115万円)の安値で売ったりしたという。
検察の捜査結果、A被告の夫や夫の知人はサムスン電子や起亜自動車と何の関係もないことが明らかになった。A被告は教諭から詐取した金銭を借金8000万ウォン(約780万円)の返済と投資に充てた。
一審は「06年に同じ手口の犯罪で有罪判決を受けたにもかかわらず、再び詐欺を働いた」として懲役2年の判決を言い渡した。だが、二審は「悪質な犯罪だが、教諭から詐取した金銭のうち4億2000万ウォン(約4110万円)を返している」と指摘し、減刑した。