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しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

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一生懸命見る作品と惰性で見る作品

オシャレ ブログ論

 チェコ好きさんというブロガーの方が、「お腹がいっぱいになるコンテンツ」と「お腹が減るコンテンツ」という言葉を使っていて、いい比喩だなあと思いました。

 何度も見てるし大好きなんだけど、見返すたびに居住まいを正してしまうような作品と、お菓子を摘みながらずっとだらだら見ていたいような作品ってありませんか?

 そういう、一生懸命見る作品と、惰性で見たいような作品の違いって、コンテンツを考える上でけっこう重要だと思うんですよね。


 作家の表現する世界がすごすぎて、とても平穏な気持ちでは見られない作品があります。例えば、新海誠監督の「言の葉の庭」なんかがそれだと思います。


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言の葉の庭

言の葉の庭

 50分に満たない短めのアニメ映画なんだけど、見るたびに作家が表現する強烈な世界観に打ちのめされます。



 ゲームだと、「風ノ旅ビト」とかですかね?

Journey

Journey

 ゲームは反復の心地よさをベースに構成されているものが多いので、一回性をテーマにした優れた作品って貴重なんですよね。すぐに終わってしまうゲームなんだけど、心が震えるのような感動があります。



 小説だと、なかなか難しいんですが、筒井康隆の『旅のラゴス』なんかがおすすめですね。

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 短い本だけど、ほどんど人の一生を経験しているようです。



 じゃあ、惰性でだらだら見てしまうようなコンテンツはと言うと、真っ先に思い浮かぶのがニコニコ動画です。特にゲーム実況なんかが僕は好きです。



 だらだら見るならFE実況とかおすすめです。ゲームの物事が安心して進んでいく感じと、色々しゃべってくれる実況者と、自分の代わりに盛り上がってくれるコメントと一緒にいると、すごく心地がいいんですよね。最近はゲーム実況動画を見ながらご飯を食べているときに最も幸せを感じます。



 あと、アニメも配信されてるやつは全部ニコ動で見ます。実家のような安心感。



 文字媒体だと、「なろう小説」なんかが、やっぱり惰性で見るコンテンツだと思います。長い作品多いですからね。

 「蜘蛛ですが、なにか?」がダラダラ見るには最高だと思います。主人公が蜘蛛でレベルアップして進化していくというお手本のようななろうメタなんだけど、なろう特有の臭みが少なく、展開や描写もけっこう面白いので、「たまにはなろうで小説読んでみようかな」という人にはとても向いてると思います。



 一生懸命見る作品と惰性で見るような作品、どちらが優れているというわけではありません。しかし、ネットで無料で見やすく人気を集めているコンテンツにどちらが多いかというと、それは後者でしょう。

 一生懸命見てもらうものを作るにはエネルギーがいるし、ブログや実況やSNSは継続がとても大事なので、低コストで作れて気軽にダラダラ見てもらえるものが主流になりやすいのはおかしくないと思います。

 冒頭でチェコ好きさんを引いたのですが、この文章は素敵なのでぜひ読んでみてください。

 僕がこの記事で述べてきた「一生懸命見る」と「惰性で見る」よりもずっとうまく対象を表現してると思います。

 食べものの比喩を使い、作品を惰性で見させるコツのようなもの(洋ドラや連載漫画でおなじみのあれ)を「食欲を増進させる機能」や「スパイス」と言い当てていて、すごく上品で巧みな文章だと思います。


 でもチェコ好きさんの感覚としては、あくまで「お腹がいっぱいになるコンテンツ」がメインであって「お腹が減るコンテンツ」はスパイスなんですね。

世の中には「お腹が減るコンテンツ」と「お腹がいっぱいになるコンテンツ」があるんですよ。それで、「お腹が減るコンテンツ」というのはあくまでスパイスとして用いるものなので、そっちがメインになるとおそらくどこかでバランスを崩します。


 多分、チェコ好きさんは、ソシャゲとかオレツエーとかチーレムとは無縁の、もっと上品で洒落たところにいるのでしょう。(そりゃそうか。)



 学食でPCを広げてニコ動を見ながらご飯を食べている僕のような人間を取り囲んでいるコンテンツは、食欲増進に役立つスパイスみたいな生ぬるいものではありません。

 それは、「喉を乾かせるための塩分を過剰に入れた炭酸ジュース」のようなものです。甘さと飲み口の爽やかさで誤魔化しているけれど、充足の後には必ず欠乏がきます。そして、人が死なないギリギリの塩分濃度の研究と、強烈な塩の味に気づかれないような味の開発が進んでいるのです。


 一生懸命読むための有料コンテンツを適正な値段で売ることが当たり前だった時代は、幸せな過去なのかもしれません。

 今はあまりにも選択肢が多いし、ブログだって続けてないとすぐに忘れられてしまいそうで怖いです。

 でも、食欲を増進させるコンテンツを出し続けざるを得なかったとしても、その連続の中で、たまには本当に満足できるコンテンツだって出せるのではないか、ということを思うんですね。本当に満足させて、なおかつまた食べたいと思ってもらえるものを。



 チェコ好きさんを始めとして、センスがいい感じのブロガーさんたちは「note」のほうに行っちゃってる気がします。ざっと見てみた限りでは、noteって普通に良いサービスだと思うんですよね。特に文章系ブロガーとしては惹かれるものがあります。記事単位での販売もできるし。

 ていうか、どのブログサービスもいずれは有料記事の機能を実装せざるを得なくなってくると思うので、はてなもユーザーをとられない内に早くやったほうがいいですよ。せっかくはてなポイントみたいな仕組みもあるのにカラースターしか買うものないし。


 noteはシンプルだしオシャレだしこれから流行ってくかもしれません。記事を有料で販売することに早くから着目してるのもいいですね。

 あ、ステマではないですよ。利用するつもりもないですし。僕にはまだはてなでやらなきゃいけないことがあるんだ!




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