さようなら、憂鬱な木曜日

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さようなら、憂鬱な木曜日

サラリーマンの投資ログなど

SMAPの独立解散騒動は、爆笑問題が独立して干された事件を思い出させる

スポーツ・エンタメ

日本全体が騒いだSMAP独立解散騒動から数日経った。

一応はSMAP×SMAPの生放送でメンバー全員がファンに(あるいはジャニーさんに?)謝罪し、キムタクが「ただ前を見て進みたい」と宣言するかたちで一旦は幕を閉じた。

私はこの騒動を見ていて、NHKと国会でも話題になるSMAPの偉大さを再認識するとともに、爆笑問題も昔同じことやったんだよな、と感慨にふけっていた。

 

ご存じの方もいるだろうが、爆笑問題は若手時代に一度「カラッカラに干されている(by伊集院光)」。

この件については、爆笑問題本人はこれまであまり触れてこようとしなかったし、そもそもタレントが自分で言うことではないので、情報が断片的なのだが、15年以上爆笑問題を追いかけてきて、様々な人の口から語られるその騒動の集積として私の中ではもう腑に落ちている。(タイトルで「思い出させる」とか言ってるけど、干された当時私は小学生なのです。なので空気感とかは全然知りません)

 

■すぐに売れっ子になった爆笑問題

日本大学芸術学部で出会った太田光と田中裕二は、爆笑問題を組んで、まずは渡辺正行が主催するショーパブの新人コント大会に出始めた。そこですぐに輝きを見せた彼らは、太田プロにスカウトされる。そこで出会ったのが、瀬名というマネージャーだ(SMAPで言うところの飯島マネージャーである)。

太田プロに鳴り物入りで入った爆笑問題は、その実力を遺憾なく発揮し、どんどん頭角を表していった。テレビへの露出もどんどん増えていき、太田プロ“若手のホープ”として、絶賛売り出されていった。

 

■事務所から独立、干される

テレビに出始めて2年ぐらい経った頃、瀬名が爆笑問題を引き抜くかたちで独立した。この詳しい経緯については、爆笑問題からも、その他の芸人やタレントからも一度も語られたことがないのでわからない。瀬名マネージャーと太田プロの間に確執があったのかもしれないし、爆笑問題の才能があれば、独立してもやっていけると瀬名が踏んだのかもしれない。とにかく、瀬名は爆笑問題を引き連れて事務所を離れ独立した。

これが、太田プロの怒りを買った

SMAPで言えば、ジャニーさんが怒ったのだ。この時の太田プロの怒りというのは、当時を知る芸人仲間から「恐ろしかった」と言われるほどのものだった。とにかく、決まっていた番組はすべて降ろされた。進んでいた話もすべて失せ消えた。新聞のラテ欄を賑わしていた「爆笑問題」の4文字が、ある日を境にして一気に姿を見せなくなったらしい。

この時点で、瀬名と爆笑問題はおそらく仕事をやっていくことをあきらめ、瀬名は離れていった(あるいは爆笑側から離れていった)。

仕事がまったくない日々が続き、田中裕二はアルバイト先のミニストップで、お客さんがカゴに入れる商品の値段をすべて記憶し、レジに来た瞬間「◯◯円です」と言える程コンビニ店員としての才覚を発揮し、副店長にまで昇進した。対して太田光は算数ができないため(お客さんに怒られるのが怖くてお釣りを多めに渡してしまう)、家でずっと引きこもっていた。

伊集院光は当時、田中裕二と草野球でよく一緒になったらしいが、恐る恐る「干されるのってやっぱりきついですか?」と聞いたところ、「俺は毎日野球ができるから楽しい!」と言って、ケロッとしていたらしい。怪物である。

 

■芸能事務所タイタン設立、再ブレイクへ

まったく仕事のない日々が3年ぐらい続いた。それを見かねたのが、太田光の奥さんである太田光代、株式会社タイタン代表取締役社長である。

当時は彼女も太田プロでモノマネタレントとして活動していたのだが、才能はあるのに世に出れない爆笑問題を見かねて、芸能事務所タイタンを設立。爆笑問題を唯一の所属タレントして、活動し始めた。

太田社長がどれほどの労力をかけて、爆笑問題を売り込んだのかは想像できないし、想像を遥かに超えるのだろう。爆笑問題は表舞台での活躍を再開すると、その年にNHK新人演芸大賞を受賞し、翌年GAHAHAキングチャンピオン、そして大ブレイクのきっかけとなった『ボキャブラ天国』への出演に至る。その後の活躍はご存知の通りだ。

書いていて、目が潤んできてしまった。本当に、また世に出てきてくれて良かった。

 

ちなみに、巷でたまに言われている干された理由のひとつに、ビートたけしのオールナイトニッポンに、たけしの代打で出演した時に、太田光が開口一番「たけしは死にました」と言ったことが業界の怒りを買った、という説があるが、あれは嘘である。「たけしは死にました」発言は何に繋がるかというと、その番組内で同期のたけし軍団浅草キッドを散々煽っていたら、浅草キッドがスタジオに殴りこんできて喧嘩になり、その後ずっと犬猿の仲になったというだけの話だ。

 

■これからのSMAP

さてさて。今回のSMAPの話に戻ると、SMAPのうち4人は飯島マネージャーに付いて独立しようとしたが、結局しなかった。もしキムタク以外の4人が独立していたら、爆笑問題のように、とまでは言わないが、ある程度干されるようなかたちになってしまっていたのかもしれない。

しかし、今回の騒動について、ジャニーさん(あるいは、メリー副社長)はまだ納得していないように見える。今後、騒動が再燃しないとも限らない。

私は特別SMAPのファンというわけではないけれど、そういった事務所とタレントの騒動を、全面的にテレビの生放送で打ち明けるというのは、ファンにとってショックなことだったと思う。ファンは、ただテレビやメディアで活躍する彼らをただ純粋に見ていたいだけなのだ。SMAPのファン気持ちを思うと、私も胸が痛む。