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ヘッドハンターが教える、転職で給与を希望金額にする7つの秘策
Inc.:自分の希望が通るように給与の交渉をするのは、かなり神経を使います。人事の担当部長ともめたり、安い給与に甘んじたりすることなく、うまく要求を通さなければなりません。交渉は、会社と自分の両者が、望み通りになったという気分で終わらなければなりません。
交渉のプロのやり方を身につけるため、3人のヘッドハンターに、就職活動中の人が給与交渉に成功するための秘訣を聞いてみました。今回は、彼らプロの秘策を伝授します。
(これは「Business Insider」に掲載されたVivian Giangさんの記事が元になっています)
1. 先方が話し終えるまで何も言わない
人事部長でも面接官でも、先方が話せば話すほど、得られる情報は増えます。相手に先に話をさせて、最初の金額提示をしてもらいましょう。しかし、こればかりは常に思い通りにいくものではありません。最初の面接で、今の給与額を聞かれることもあります。
しかし、今の給与額を知られていない場合は、できるだけ知られないようにしたほうがいいと、IT関連企業の役員に特化した人材会社「Martineau Recruiting Technology」の創業者Dan Martineauは言います。
交渉できるのは、相手があなたに働いてほしいと心を決めたあとだけです。洋服や車や家と同じようなものです。私たちは、車や名声、権力の価値が理解できたら、それに対してお金を払います。
しかし、先方がいきなり面接の最初から給与の話を持ち出してきたらどうすればいいのでしょう? Martineauは、相手に矛先を向けるようにとアドバイスしています。たとえば「私の現在の給与は◯◯◯円です。これまでの経験や知見を元に、最高の条件を提示してくれる会社を探しています。この役職での待遇(給与帯)はどれくらいでしょうか?」
今の給与が低い場合は、給与額を提示すると自分が不利になると思うかもしれませんが、そういう場合は率直に「私は今の会社も、今の仕事も好きですが、正直に言って給与が低すぎます」と言いましょう。
2. 質問しすぎないで、情報を得る
経験から言うと、先方に聞かずにおおよその給与額を知るには、その会社で働いている社員に聞くか、「Glassdoor.com」や「Indeed.com」のような会社情報サイトで調べる方法があります。
テック・メディア系の求人会社「Koller Search Partners」のヘッドハンターEddie R. Koller IIIは、「面接を受けている側は、自分にとって適正な給与金額が頭の中にあると思いますが、会社のほうにも支払える限度額があります」と言います。
先方の会社が設定している給与帯よりかなり高い希望金額を伝えると、もし相手に雇う気があったとしても、その瞬間にはじかれてしまう可能性はあります。
3. 金額ズバリではなく、希望の範囲を伝える
競争に勝ち抜いてでもその会社で働きたいと思うなら、希望の金額ズバリではなく、希望給与の範囲を伝えたほうがいいです。そうすると、先方に、交渉の余地があると伝わります。また、希望する金額が相手にとって高すぎた場合も、「希望の範囲」であれば、ショックを和らげることができるとMartineauは言います。
ほとんどの会社は、たとえ希望の範囲の下から30%でも、その範囲に見合う金額にしようとします。相手があなたに働いてほしいと思っているなら、希望の範囲に見合わない金額を提示するような、間違った返答はしたくないはずです。
4. かなり具体的な金額を伝える奇策もアリ
ニューヨークを拠点とするヘッドハンターの1人は、交渉のときに具体的な金額を提示するという、かなり変わった方法を勧めています。たとえば、年収700万円ではなく、年収715万円と言うのです。
実験社会心理学の雑誌『The Journal of Experimental Social Psychology』に載っていた研究に参加した研究者Malia Masonは、おおまかな金額ではなく厳密な金額を伝えることで、説得力が増すと言っています。
1週間、1カ月など、決まった期間の給与を定量化して見積もり、厳密な数値を示すことで、相手の見積もりが間違っているという印象を与えます。
希望金額の範囲を提示するときにも、具体的な数字を使ったほうが良いでしょう。
5. 必ず一度はこちらから提案すること
先方から金額の提示を受けたら、逆提案も求められているということです。たやすく言いなりになるような人を求めている会社はありません。しかし、何度もやると先方に嫌がられるので、逆提案は一度までにしたほうがいいとKollerは言います。
給与の金額交渉が長引くと、両者共にストレスになります。新しく働く職場で、いきなり気まずいスタートを切りたくはありませんよね。
6. ワクワクしつつも冷静に対応する
新しい会社で働けることにワクワクしている様子を見せ、常にポジティブな対応をしつつも、あまり浮かれているとバカみたいに見えるので気をつけましょう。その求人に対して何人の候補者を面接しているかわからない場合は、冷静な対応をしたほうがいいとMartineauは言います。
バカみたいに浮かれて見えるのは最悪ですが、熱心な態度は大丈夫です。人は、熱心でワクワクしている人を雇いたいと思うものです。
Kollerは、その会社で働くことにワクワクしている様子を見せると、相手はあなたの要求に応えたいと思う傾向が強くなると付け加えています。
7. 今の給与金額を偽らない
会社に直接問い合わせたり、W-2フォーム(源泉徴収票のようなもの)を見られたりしたら、あなたの現在の給与額を調べるのはたやすいことだと、リクルーターは言います。したがって、今の給与金額を偽るのはやめましょう。うそつきのレッテルを貼られたあと、新しい会社で働きたくはないはずです。
組織内の地位や役職が高かろうが、低かろうが、傲慢にならないように気をつけ、前もって下準備をし、希望の金額は率直に伝えましょう。
7 Negotiation Tactics That Will Get You the Salary You Want This Year|Inc.
Business Insider(訳:的野裕子)
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