韓国南東部・慶尚南道の金海中部警察署は18日、1年近く自分につきまとっていた男性（43）を殺害したとして、A容疑者（23）＝女性＝を逮捕したと発表した。15日午後7時ごろ、金海市の自宅リビングで男性をいすに縛りつけ、刃物で数回刺して死亡させた疑いが持たれている。
警察によると、男性は2014年12月ごろ、A容疑者の母親が経営する美容院を訪れ、初めてA容疑者と顔を合わせた。小柄でかわいらしい顔つきのA容疑者に引かれた男性は、昨年3月以降、電話をかけたり携帯電話メッセージを送ったりして「愛してる」「会いたい」などと言い寄った。だがA容疑者は男性との交際を拒み、昨年10月15日には自宅を訪ねてきた男性を警察に通報した。男性はこの10カ月間、1カ月に1－2回ずつ電話したりメッセージを送ったりしていたという。
事件当日も、男性は正午ごろ電話をかけ「会いたい」などと迫ったが、A容疑者は「電話もメッセージもやめて」と言ってすぐに電話を切った。男性はさらに4回電話して「家に行く」と言い、A容疑者は「来たら殺す」と脅した。柔道などで体を鍛えていた男性は「ほっそりした女性にできるわけがない」と見くびって自宅を訪ねたものと、警察は推測している。
A容疑者は、自宅に押しかけてきた男性と玄関ドアの前で押し問答した揚げ句「家に入るつもりならあなたの手足を縛る」と警告した。男性は「まさかできるはずはないだろう」と思い素直に応じたが、A容疑者は男性の手と足を食卓のいすに縛り付け、刃物で刺した。男性はその場で死亡した。
A容疑者は犯行後「人を殺した」と警察に自首した。A容疑者は過去に統合失調症などで治療を受けており、現在も薬を服用している。