テニス:ジョコビッチ「チョン・ヒョンの潜在力は疑う余地がない」

 「これまでに経験したトップクラスの選手と世界ランキング1位は完全に違った。まず球が重いし、何よりも圧迫感が強く感じられた」

 チョン・ヒョン(19)=世界ランキング51位=は18日、オーストラリア・オープン・テニス男子シングルス1回戦で、同1位のノバク・ジョコビッチ(28)=セルビア=と1時間55分間にわたり対戦した。彼が経験した「当代最強プレーヤー」はどんな姿だったのだろうか。チョン・ヒョンは0-3(3-6、2-6、4-6)で敗れた後、本紙との電話インタビューで、「偶像(あこがれの人)との試合経験は一生忘れられないだろう。負けたけれども、心配していたよりも試合でよくやれたとおもう。自分自身に80点はあげたい」と語った。

 ジョコビッチはチョン・ヒョンが良いショットを出すとそのたびに拍手した。まるでコーチが選手を褒めているようだった。これに対して、韓国のネット上では一部ユーザーが「これ、テニスのレッスン?」「しゃくに障ってみていられない」という反応を見せた。だが、チョン・ヒョンは首を振った。「相手に拍手を送るのは、選手たちの間ではよくあること。実際の試合中はそんなことを意識する暇もなかった。僕は新人らしくやっただけで、世界1位のジョコビッチは当然、(新人の)僕に対して余裕を感じていたのでは」と言った。

 ジョコビッチは試合が終わった後、コート中央でチョン・ヒョンと握手し、何か話しかけた。ジョコビッチは試合後のインタビューで、「今後はコートで経験を積む時間がもっと必要だとアドバイスした」と語った。彼のアドバイスをどう思うか聞くと、チョン・ヒョンは「実は気持ちがふわふわしていてコートで何を言われたかよく聞き取れなかった」と笑った。

 チョン・ヒョンは今回の試合に対する韓国の国民的関心にプレッシャーは感じなかったという。「両親だけでなく、大勢の皆さんが応援してくださって気持ちが良かった」と言った。

 チョン・ヒョンとの試合が終わった後、ジョコビッチは「チョン・ヒョンはトッププレーヤーになるだろうと話す人が多いが、彼の潜在力は疑う余地がない」と語った。2000年に韓国人の男子選手としては初めての全米オープンでベスト16に進出しブームを巻き起こした李亨沢(イ・ヒョンテク、現・李亨沢アカデミー理事長)は「チョン・ヒョンは世界1位とメジャー大会のメーンコートでよく戦った。今後はどんな試合でも気後れしないだろう」と言った。

ソク・ナムジュン記者
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