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 統合失調症の患者は、健康な人と比べて、左脳の一部が大きいことが、大阪大などの研究でわかった。国際学術誌「モレキュラー・サイカイアトリー」電子版に19日、掲載された。

 妄想や幻聴などが起こる統合失調症は、100人に1人が発症するとされるが、脳のどの部分に原因があるのかわかっていない。

 阪大の橋本亮太准教授(精神医学)らは、統合失調症の患者884人と健康な1680人のMRI(磁気共鳴断層撮影)画像を11の大学病院などから集め、大脳の内側にある七つの部分で左右の体積差を比べた。

 その結果、統合失調症の人は、淡蒼球(たんそうきゅう)と呼ばれる部分の左脳側の体積が、右脳側より平均約4%大きいことがわかった。淡蒼球はやる気などを担い、意思決定を担う部分と密接につながっている。健康な人では左右の差はなかった。統合失調症患者の淡蒼球の体積が大きいことは知られていたが、左右の差が明らかになったのは初めてという。